• 必要な栄養が十分に摂れて、なおかつ、おいしい。元気に日々を過ごすために知っておきたい栄養のポイントと献立3日分を、料理家、栄養士の長谷川弓子さんに教えていただきました。今回は3日目の献立を紹介します。
    (『天然生活』2017年5月号掲載)

    バランスのよい献立【3日目】

     /さけの幽庵焼き、納豆、小松菜

    栄養価の高いさけ、納豆、小松菜で理想的な朝ごはんに。

    画像: 左上から時計回り:さけの幽庵焼き/納豆のおろしあえ/小松菜のナムル きざみのり添え/豆腐とわかめの味噌汁/ごはん

    左上から時計回り:さけの幽庵焼き/納豆のおろしあえ/小松菜のナムル きざみのり添え/豆腐とわかめの味噌汁/ごはん

    エネルギー……544kcal
    タンパク質……30.6g
    脂質……16.3g
    炭水化物……66.4g
    食物繊維……6.8g
    カルシウム……294mg
    鉄……4.9mg
    塩分……2.5g
    *栄養計算は、ひとり分です。

     /コロッケパンとトマトスープ

    コロッケとトマトスープで野菜を、牛乳でカルシウムを。

    画像: 左上から時計回り:コロッケパン/ミルクティー/オレンジ/トマトスープ

    左上から時計回り:コロッケパン/ミルクティー/オレンジ/トマトスープ

    エネルギー……623kcal
    タンパク質……21.5g
    脂質……24.8g
    炭水化物……79.7g
    食物繊維……6.4g
    カルシウム……169mg
    鉄……2.9mg
    塩分……2.7g
    *栄養計算は、ひとり分です。

    トマトスープの材料とつくり方(2人分)

     キャベツ(30g)、ピーマン(1個)、玉ねぎ(50g)、にんじん(20g)、ベーコン(1枚)は、1.5cm角に切る。

     鍋にオリーブオイル(小さじ1/2)を熱し、を炒める。トマトジュース(300mL)と、水(100mL)を加えて弱火で5分ほど煮る。野菜がやわらかくなったら、固形コンソメ(1/2個)を加えて、ひと煮する。器に盛りつけ、こしょう(少々)をふる。

     /鳥のくわ焼きと菜の花の辛子あえ

    だしがすべての味の決め手に。肉を少なめに、野菜はたっぷり。

    画像: 左上から時計回り:菜の花の辛子あえ/鳥のくわ焼き/豆腐のけんちん汁/ごはん

    左上から時計回り:菜の花の辛子あえ/鳥のくわ焼き/豆腐のけんちん汁/ごはん

    エネルギー……655kcal
    タンパク質……24.5g
    脂質……24.6g
    炭水化物……77.6g
    食物繊維……5.7g
    カルシウム……179mg
    鉄……2.3mg
    塩分……2.4g

    【鳥のくわ焼きのつくり方】

    材料(2人分)

    ● とりもも肉160g
    ● 長ねぎ60g
    ● 小麦粉少々
    ● 粉山椒少々
    ● A
    ・水大さじ1
    ・酒大さじ1
    ● B
    ・しょうゆ10g
    ・みりん9g
    ・砂糖6g
    ・だし小さじ2

    つくり方

     とり肉はひと口大に切る。長ねぎは3cm長さに切る。Bは合わせておく。

     とり肉に小麦粉をまぶし、油少々(分量外)を熱したフライパンで皮目から焼く。焼き目がついたら返し、余分な油をふき取り、長ねぎとAを加えて、ふたをして蒸し焼きにする。

     とり肉に火が入ったら、再度キッチンペーパーで水けをふき取り、仕上げにを入れてからませる。器に盛り、粉山椒をふる。

    【菜の花の辛子あえのつくり方】

    材料とつくり方(2人分)

     菜の花(100g)は、塩ひとつまみを加えた熱湯で色よくゆでて、ざるにあげ、うちわなどであおぎ、冷ます。

     合わせ調味料(だし50mL、みりん小さじ1/2、薄口しょうゆ小さじ1/2、塩小さじ1/5)を鍋に入れてひ
    と煮し、冷めてから水溶き辛子(小さじ2)を加え、辛子汁をつくる。

     ボウルにを入れ、を加え、15分ほど漬け、3cm長さに切って器に盛る。

    栄養バランスがとりやすい「和食」には、献立づくりのヒントがたっぷり

    野菜は一日350gが目標

    バランスのよい献立では、野菜は一日350gとるのが目標。生のままではかさが多くてたくさん食べられないので、ゆでておひたしやあえものにしたり、汁ものの具にしたりして使います。

    『小松菜のナムル』の量は、生で約100g分です。100gの野菜を調理するとどれくらいになるか、目安を知っておくと、一食にとる野菜の量をつかみやすくなりますよ」

    また、女性に不足しがちな鉄分とカルシウムも意識して摂りたい栄養素。とくに鉄分が不足した状態が続くと、倦怠感や頭痛などを引き起こすことも。

    鉄分というとレバーですが、なかでも豚肉レバーは100g中に約13mgの鉄分が含まれ、これだけで一日の目安摂取量をカバーできるほど。とはいえ、毎日、レバーを食べるのは難しいので、鉄分もカルシウムも豊富な小松菜や海藻類、納豆やプルーンなど、食べやすい食材で少しずつ補います。

    「植物性の鉄分は非ヘム鉄といって、そのままでは体に吸収されにくいため、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂ることが大切です」




    〈撮影/川村 隆 スタイリング/竹内万貴 取材・文/熊坂麻美〉

    画像: 野菜は一日350gが目標

    長谷川弓子(はせがわ・ゆみこ)
    東京都出身。料理家、栄養士。明治大学卒業後、社会人経験をしたのち、近茶流宗家・柳原一成氏、柳原尚之氏に師事し、日本料理を学ぶ。現在、聖徳大学短期大学部専任講師として、調理実習等を担当する。とくに好きな魚はあじ。「海に囲まれた国に生まれたからには、ぜひ、魚料理に親しんでいただければ」

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)
    天然生活の本
    『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    天然生活の本『季節の魚料理』(長谷川弓子・著)

    A5判
    定価:本体1,700円+税
    ISBN978-4-594-08464-6


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