家庭パンづくりの第一人者・高橋雅子さんによる、ホームベーカリーでつくる「香ばし黒糖食パン」を紹介します。高級食パン専門店のような本格的な味をおうちでつくれたらうれしいですね。アレンジレシピの「ジャスミンティー・パイナップル黒糖食パン」と、香ばし黒糖食パンを使った「あんバターサンド」も、ぜひお試しください。
(『ホームベーカリーで作るプレミアム食パンとハイブリッド食パン』より)
香ばし黒糖食パンのつくり方
黒糖の力強い香りを主役にした食パンです。もちっとした食感の中に、黒糖特有のミネラル感とうまみ。パンの高さは出ませんが、そのぶん密度の濃い味を楽しめます。
材料(1斤型1台分)
● 強力粉(「イーグル」を使用) | 200g |
● インスタントドライイースト | 3g |
● 黒糖(黒糖本舗垣乃花の「粉末黒糖」を使用) 黒糖は酵素を含むため、使用する黒糖によって出来上がりが異なることがあります | 50g |
● 塩 | 4g |
● 全脂粉乳(クリープ) | 8g |
● 水 | 140g |
● バター(食塩不使用。1cm角に切る) ※使う直前まで冷蔵庫に入れておく | 16g |
少しのイーストでつくる場合(天然酵母コース) イースト…… 0.7g
イーストの量を少なくする代わりに発酵時間を長くとる「天然酵母コース」の使用も可能です。イーストを減らすことで特有の香りが少なくなり、粉の風味が味わえるのが利点。その場合は、分量に記載されているイーストの量を1/4にするといいでしょう。ほかの材料はすべて、そのままでつくることができます。
通常よりふくらみが弱いかもしれませんが、しっとり焼きあがるように思います。焼き上げまで7時間ほどかかりますが、長く発酵させることで生地が熟成されてうまみが増します。時間があるときに試してみてください。
つくり方
1 パンケースに羽根をセットし、水を入れる。その上に強力粉、黒糖、塩、全脂粉乳を入れる。その上にイーストとバターを触れないように離して入れる。
2 「食パンコース」を選択し、スタートボタンを押す。
3 焼き上がったら、すぐにパンケースから取り出す。網において粗熱をとる。
アレンジレシピ
ジャスミンティー・パイナップル黒糖食パンのつくり方
エキゾチックなのになつかしい。アジアンスイーツを思わせる中国茶とパインの組み合わせ。
材料(1斤型1台分)
● 「香ばし黒糖食パン」の材料 | 全量 |
● ジャスミン茶葉 (ティーバッグの中身) | 5g |
● ドライパイナップル (1cm角に切る) | 75g |
つくり方
1 「香ばし黒糖食パン」のつくり方1と同様に材料を入れる。茶葉も、強力粉と一緒に入れる。食パンコースを選択し、スタートボタンを押す。
2 スタートから80分後にふたを開け、ドライパイナップルを加える。
3 「香ばし黒糖食パン」のつくり方3と同様に取り出し、粗熱をとる。
食べ方提案
「香ばし黒糖食パン」で、あんバターサンド
黒糖とあんこの奥深い甘みにバターをたっぷりと。温かいうちにどうぞ。
材料(1個分)
● 「香ばし黒糖食パン」の材料 | 2枚 |
● 粒あん(市販品) | 50g |
● バター | 40g |
つくり方
1 バターは厚い板状にし、使う直前まで冷凍庫に入れておく。
2 食パンに粒あんとバターをはさむ。
3 予熱したホットサンドメーカーに2をはさみ、こんがりと焼き色がつくまで焼く。
本記事は『ホームベーカリーで作るプレミアム食パンとハイブリッド食パン』(PARCO出版)からの抜粋です
〈撮影/馬場わかな スタイリング/岩﨑牧子〉
高橋雅子(たかはし・まさこ)
1969年神奈川県生まれ。22歳から製パンスクールに通い、ル・コルドン・ブルーでさらに製パンを学ぶ。また、日本ソムリエ協会ワインアドバイザーの資格を取得。1999年より、パンとワインの教室「わいんのある12ヶ月」を主宰。全国各地から生徒が集まり、ウエイティングは1年以上という盛況ぶり。2009年ベーグル販売とカフェ「テコナベーグルワークス」を開店。
わいんのある12カ月:http://www.wine12.com/
◇ ◇ ◇
家庭製パンの第一人者、高橋雅子さんが、ホームベーカリーを徹底研究。高級食パン専門店の味「プレミアム食パン」と、クロワッサン、ブリオッシュ、バゲットなど、パンとスイーツを掛け合わせた「ハイブリッド食パン」の全65種を紹介します。
「ホームベーカリーは簡単そうで、実は奥深いところが魅力。水分やバターがたっぷりの生地だって、手ごねよりも手早く上手にこねてくれます。タイミングを見計らって生地を取り出して具を入れたり、トッピングをのせたりもできます。ホームベーカリーで、こんなパンがつくれるんだ! その感動を、ぜひ体験してください」(高橋雅子さん)