• 私たちの生活に、長期的な影響を及ぼしている新型コロナウイルス。マスクの着用やアルコール消毒、ソーシャルディスタンスなど、「新しい生活様式」も日常化してきています。ウイルス学の研究に携わり、現在は栃木県那須烏山市の「七合診療所」所長として活動する本間真二郎先生にこれからのコロナとの付き合い方についてお伺いしました。
    (『天然生活』2022年5月号掲載)

    唯一の対策は自己軸を高めること

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    新型コロナウイルス騒動が始まってから2年ほどが経ちました。

    現時点(2月初旬)では第6波が間もなくピークを過ぎそうです。ですが以前から繰り返しお伝えしているように、次の波は必ずやって来るし、今後も新型コロナウイルスがなくなることはありません

    ウイルスが日々変異するなかで感染力の高い株が生まれるとそれが広まり、波が生まれます。そしてピークに達すると減少に転じる。これは、何かの対策の結果ということではなく自然現象なのです。

    一方で、感染力が強まれば強まるほど重症度は低くなっていく。実際に第6波を見ると感染者数は第5波の4~5倍ですが、死亡率は以前より低下しています。

    こうした状況のなか、行動の自粛やマスク着用などが日常化しつつあります。これらの対策の基になるのが「無症状感染」という考えです。無症状の人からも感染する可能性があり、人との接触を避けましょうということですね。

    画像: 唯一の対策は自己軸を高めること

    実は私は、これはとても大きな問題だと考えています。何の症状もない人が「自分は他人に害を及ぼしているかも」と自己肯定感の土台を傷つけられる。また、周りの人に対しても「もしかしたら自分に害をもたらすかも」と疑念を抱いてしまう。これは人間の存在や人間関係の根本を否定する考え方ではないでしょうか。

    また、たとえば日本では年間約10万人が肺炎で亡くなっています。肺炎も感染症のひとつであり、無症状の人から感染する場合も多くあります。インフルエンザもそうです。

    これらに関してはこれまで無症状感染への対策はほとんどとってこなかったのに、なぜ今回だけこれほどまでに強調されるのでしょう。このことについて、一度冷静に考えてみるべきだと思います。

    この2年、マスクや過度な消毒によって人々は微生物を極端に排除してきました。微生物は人間の免疫の正常な発達と維持、調節にとって欠かせない存在です。それが激減することで将来どんな影響が出るのかが心配です。

    子どもたちの長期にわたるマスク着用も心身に害を及ぼします。しかもこれまでの状況を見ても、こうした感染予防対策はほとんど功を奏していません。

    唯一の対策は「自己軸」が中心の生き方、つまり自然に沿った生活を通じて自分の免疫力や自己治癒力を高めていくことです。このままずっと自粛生活やマスク着用を続けるのか、それとも「自己軸」の対策へと意識を変えていくのか。一人ひとりが改めて考える必要があると思います。

    〈取材・文/嶌 陽子〉


    画像: コロナについて、いま考えたいこと|本間真二郎先生の病気にならない暮らし方

    本間真二郎(ほんましんじろう)
    小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、大学病院での勤務を経て2009年、栃木県那須烏山市に移住。現在は同市にある「七合診療所」の所長として地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践している。著書に『新型コロナ ワクチンよりも大切なこと』(講談社ビーシー)など。2児の父。



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