(『マドレーヌとフィナンシェの実験室』より)
※ 本記事は『マドレーヌとフィナンシェの実験室』(誠文堂新光社)からの抜粋です
ラムレーズンフィナンシェのつくり方
ラム酒とラムレーズンを加えた大人なフィナンシェ。ラム酒を加えると香りが豊かになり、しっとりと仕上がります。
材料(インゴット型8~9個分)
● 発酵バター | 60g(常温に戻す) |
● 卵白 | 60g(常温に戻す) |
● グラニュー糖 | 50g |
● はちみつ | 10g |
● バニラエッセンス | 5滴 |
(またはバニラビーンズペースト1g) | |
● 塩 | 1g |
● 薄力粉 | 15g |
● 強力粉 | 10g |
● アーモンドパウダー | 30g |
● ベーキングパウダー | 1g |
● ラム酒 | 5g |
〈ラムレーズン〉
● 干しレーズン | 50g |
● ラム酒 | 20g |
下準備
○ 薄力粉と強力粉、アーモンドパウダー、ベーキングパウダーは目の粗いザルで合わせてふるっておく。
○ 型に刷毛で常温のバターを均一に塗って強力粉をふるい、余分な粉をはたいて、冷蔵庫に入れておく。
○ 大きめのボウルに水を張っておく。
○ オーブンは天板も一緒に210℃に温め、予熱する。
○ ラムレーズンを作っておく。レーズンは湯通しし、ラム酒を加えて30分以上漬ける。
つくり方
1 焦がしバターを作る。片手鍋にバターを入れて強火で加熱する。泡立て器で混ぜながらバターを溶かす。沸騰したら弱めの中火にし、混ぜながら茶色く色づくまで加熱する。沈殿物が深い茶色になったところで、鍋底を水を張ったボウルに30秒ほどつけ、粗熱を取る。60度ほどを保っておく。この時点で50gほどになる。
2 卵白をボウルに入れて泡立て器でコシを切るように、さらりとした状態になるまで溶きほぐす。
3 グラニュー糖、はちみつ、バニラエッセンス、塩を加える。もったりツヤが出るまで泡立て器で30回ほど円を描くようにすり混ぜる。
4 粉類を一度に加える。20回ほど3と同様にすり混ぜる。ツヤが出てからさらに20回ほどすり混ぜる。
5 焦がしバターを3回に分けて加え、都度10回ずつ円を描くようにすり混ぜる。混ぜ終わったらゴムベラで周りを払いさらに同様に10回すり混ぜる。最後にラム酒も加えて混ぜる。
6 生地をスプーンで型の8分目(20g)まで入れる。水気を切ったラムレーズンを表面に7gずつ散らす。
7 210℃に予熱したオーブンに型を入れ、210度4分、そのまま温度を下げて170度7分で焼く。
8 オーブンから出したら生地をずらして粗熱をとり、冷めてきたら網の上に乗せてしっかり冷ます。
<レシピ/加藤里名 撮影/中本浩平 スタイリング/丸山勝代>
書籍『マドレーヌとフィナンシェの実験室』では、アレンジレシピのほか、失敗しそうなポイントを取り上げて、実際に正しい作り方で焼き上げたものと、失敗例を比べたり、材料の分量を変えて作ってみたら、焼き上がりはどう違うかを検証しています。さらに材料を変えて作ると、味、風味、食感の違いなども実験しています。ぜひご覧になってくださいね!
加藤里名(かとう・りな)
菓子研究家。大学卒業後、会社員として働きながら「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」でフランス菓子を学び、退職後に渡仏。パリの「LE CORDON BLEU」の菓子上級コースを修め、その後は人気パティスリー、「LAURENT DUCHÊNE」にスタージュとして勤務。帰国後は2015年より東京・神楽坂にて「洋菓子教室 Sucreries」を主宰。伝統的なフランス菓子のみならず、最新のトレンドを踏まえた洋菓子を、教室、SNS、書籍などで広く発信している。著書に『はじめてのクッキー缶』(家の光協会)、『レモンのお菓子づくり』(誠文堂新光社)、『キウイのスイーツ』(マイナビ出版)、『ナンバーケーキ』『あれもこれも作れる!パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』『そのまま食べてもおいしい!ふわふわスポンジ生地のお菓子』(主婦と生活社)など。
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フランス発祥の焼き菓子、マドレーヌとフィナンシェ。本書では、この2つのおなじみのお菓子について、配合を変えたり、粉を変えてみたり、作り方を変えてみたり…といろいろな検証を試みることで、本当においしいマドレーヌとフィナンシェの作り方を実験検証していく研究本です。アレンジも48点収録。