さつまいもの薬膳的効能ついて
薬膳では、さつまいもは胃腸を元気にし、気(生命エネルギー)を補う働きがあるといわれています。体力が落ちているとき、気力ややる気がないとき、食欲がないときなどの助けとして期待される食材です。
また、柑橘類に匹敵するほどビタミンCを多く含んでいます。食物繊維も豊富で、便秘の改善にも役立ちます。
皮を残してつくると、薬効がアップ。ポリフェノールを多く含む皮は抗酸化作用が高く、老化防止や目の疲れなどに有効です。
薬膳では、さつまいもを皮ごと食べることで、腸内でガスが発生するのを防ぐといわれています。
【保存食】干しいものつくり方
つくったそばからつまんでしまい、あっという間になくなってしまう、わが家でも人気の干しいも。
蒸して、切って、干すだけと工程はすごくシンプルですが、「なかなかうまくできない!」という声を多く聞きます。
上手につくるにはいくつか押えたいコツがあるので、紹介します。
ひとつ目は、じっくりと時間をかけて蒸すこと。切ったときに中に白い部分が残っていたら、火が通っていないので、さらに蒸してください。
ふたつ目は、冷めてから切ること。崩れにくくきれいな形に仕上がります。
3つ目は、湿度や気温が高いとカビやすくなるので、寒くて天気のよい日を選んで干すこと。食べるときにオーブントースターやグリルなどで温めると、ふっくらやわらかくなり、香ばしさがアップしますよ。
材料(好みの量)
● さつまいも | 適量 |
つくり方
1 さつまいもは皮つきのまま、蒸気のあがった蒸し器に入れる。途中水を足しながら、30分〜1時間かけてじっくり蒸す(時間はさつまいもの大きさにもよる)。
2 さつまいもが熱いうちに皮をむく。火傷に注意しながら、ふきんなどで包みながらむく。皮を残して仕上げてもよい。
3 冷めたら、水でぬらした包丁で1cm 幅に切る。熱いうちに切ると崩れやすいので注意。
4 ざるや干し網にさつまいもを重ならないように並べて、天日干しする。やわらかくねっとりした食感が好みなら2〜3日ほど、硬めが好みなら4〜7日ほど、好みの硬さになるまで干す。夕方には室内に取り込む。でき上がったら密閉袋に入れて、保存する。
※干し時間が短い場合は冷蔵庫で約1週間、しっかり干した場合は冷蔵庫で約1カ月保存可能。冷凍すれば1年保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」