• 庭の実りで、料理だけでなくお茶やリースをつくる伊藤さん。土地に根ざした食材や植物で、冬の暮らしを彩ります。そんな「桃花源」オーナー・伊藤千桃さんの冬支度を紹介します。
    (『天然生活』2020年12月号掲載)

    伊藤千桃さんの冬支度
    「身土不二」が食の基本。自然の恵みで健やかに

    「今朝の庭掃除で、剪定がてらびわの葉と葛の蔓を刈ってきました。びわ茶と葛茶をつくるので、煎りたてを飲んでくださいね」

    冬に向けては、ハト麦、南天、ヤマハギなどのお茶をつくって、楽しんでいるという伊藤さん。「身土不二」という言葉が示すように「身」と「土」は切り離せず、身近で旬の食材が体に一番いいもの。

    伊藤さんは、旬の野菜や果実、野草など葉山の自然で育った生命力あふれる大地の恵みを、料理だけでなくお茶や化粧水の材料としても使っています。

    「山深い、不便な土地柄ゆえに、身近にあるものを生かす知恵が根づいたのだと思います。季節ごとの実りや景色の移ろいを楽しみに自然の恩恵を余すところなくいただいています。いまは秋の野花を愛でながら、春に向けての種まきを始める時季。小さな日々を積み重ねて暮らしています」

    伊藤千桃さんの冬支度
    庭の実りで家の中に季節を運ぶ

    庭仕事で見つけたキカラスウリを蔓ごと刈ってリースにアレンジ。

    画像: 乾いたら、松ぼっくりや赤とうがらしを飾りつけてXmasのディスプレイに

    乾いたら、松ぼっくりや赤とうがらしを飾りつけてXmasのディスプレイに

    「緑の実がかわいかったので、玄関のコート掛けに巻き付けて飾ってみました。庭木の手入れで出た枝葉も、絵になるように整えて部屋のコーナーに飾っています。季節ごとに室内の景色が変わって楽しいですよ」

    蔓を巻いたリースは、乾くと素敵なドライフラワーに。枝葉などは、そのまま乾燥させて薪ストーブの燃料として再利用。

    伊藤千桃さんの冬支度
    庭木の葉茶をつくりおき

    画像: 冬はびわ(右)や葛(左)をお茶に。「葛は葉だけでなく花茶も楽しめます」

    冬はびわ(右)や葛(左)をお茶に。「葛は葉だけでなく花茶も楽しめます」

    「庭で採れる、びわ、葛、おおばこなどの葉をお茶にして飲んでいます。四季折々の草木で試作を重ねるうちにどんどん増えて、いまに至ります」

    画像: 茶葉を煎る際は、土鍋かテフロン加工のフライパンを使用

    茶葉を煎る際は、土鍋かテフロン加工のフライパンを使用

    肥料や農薬を使っていない自生の葉を使用し、葉をよく洗って干し、ちぎりながらテフロン加工のフライパンで煎れば完成。でき立ては緑茶のようにフレッシュで、つくりおきすると熟成された中国茶のような味わいに。

    伊藤千桃さんの冬支度
    床や階段にワックスをかける

    夏場は、汗だくになるので、階段や床磨きは寒くなってから。

    画像: 床の汚れは冬に一掃。「寒くなったら毎日少しずつの床磨きが適度な運動に」

    床の汚れは冬に一掃。「寒くなったら毎日少しずつの床磨きが適度な運動に」

    「木製の家具には自家製バームを使いますが、床は愛犬が滑らないようにワックスで磨きます。冬になると庭の夏みかんが実るので、皮を煮出してワックス代わりに。

    天然成分なのでペットたちがなめても害がなく安心ですし、皮から出る天然油が床の汚れを落とし、つやも出てピカピカに。柑橘系のさわやかな香りにいやされます」

     
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    〈撮影/大森忠明 取材・文/坂口みずき〉

    伊藤千桃(いとう・ちもも)
    1972年度ミス日本で元女優。自宅で「桃花源」を営み、庭で採れる地野菜を使った宅配レストランが人気に。著書に『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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