(『天然生活』2021年5月号掲載)
体の声に耳を傾け、パフォーマンスを上げる
根っからの「体オタク」で、これまでにもヨガ、太極拳、気功、瞑想など、さまざまな身体トレーニングを試してきたという森田久美さん。
なかでも森田さんが注目したのは骨と、体の奥深くにあるインナーマッスル。1年前にはボルダリングとも出合い、さらに身体的パフォーマンスを高める楽しさに目覚めたそうです。
「ボルダリングをあまりよく知らない方は、腕力を使った力技で壁をのぼるスポーツだと思っているのではないかと思います。
けれど、指先からつま先まで全身の使い方を工夫し、無理なく負担の少ないポジションを探せれば、力尽くでなくても、スッときれいな形でのぼることができるんです」
きれいにのぼるためには、事前に体をよくほぐしておくことと、イメージトレーニングが大切です。
レッスンの1時間のうち、実際に壁をのぼるのはなんと、1本か2本。その間、まるで料理の下ごしらえをするかのように、じっくり念入りに体をほぐします。
森田久美さん 体すっきりの心がけ
はだし感覚のランニング
足は体の土台。足が柔軟で感度が上がると、全身のパフォーマンスも上がる。そんな考えから、森田さんが毎日履いているのが「メレル」の「ベイパーグローブシューズ」。
靴底を最薄にして足と地面の距離を近くし、足裏の感覚を研ぎ澄ますことを目的としたランニングシューズです。
「道を歩いていて、小さな凹凸も繊細に感じ取れます。最初は少し痛く感じるかもしれませんが、だんだん快感に」
森田久美さん 体すっきりの心がけ
体が求める飲み物を
ヨガやボルダリングでしっかり筋肉を動かしたあとは、無性に豆乳が飲みたくなるという森田さん。
「体が欲しがるものは、そのとき体に必要なものなので、その欲求に素直に従います。サラサラした豆乳ではなく、どろっと濃いものを飲みたくなるんですよね」
森田久美さん 体すっきりの心がけ
ボルダリングで体幹を鍛える
重力と重力を克服する力の関係について考えることは、森田さんにとって長年のテーマ。壁をのぼるボルダリングは、その考えを実践で深めるのにうってつけのトレーニングだったとか。
「それまであまり意識していなかった部分の筋肉を使えたり、それによって手足の可動域が広がったり。私は40代後半ですが、まだまだ体にいろんな可能性があるんだということが実感できて、すごく楽しいです」
森田久美さん 体すっきりの心がけ
ゴルフボールで手のひらマッサージ
「知らない方が多いんですが、手のひらって意外に凝っているんですよ。手は世界と関わるための、とても大切な感覚器。手がきちんとほぐれていれば、体の感度も上がり、世界も生き生きときれいに見えてきます」
ボールの凹凸が、ほどよい圧で手のひらを刺激。しばらく続けるとやわらかになり、血行も促進。神経は全身でつながっているので、ある部分の感度が上がればほかの部位にも好影響が。
〈撮影/辻本しんこ 取材・文/田中のり子〉
森田久美(もりた・くみ)
京都・大徳寺そばで「料理教室森田」を主宰。2020年よりオンラインレッスンを開始し、お母さんクラス、身体クラスも開講。
インスタグラム:@0358morita
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです