(『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』より)
わが家の味
料理をつくるときに使うのは、ほぼ基本調味料のみ。
酒、塩、酢、醤油、味噌、そしてみりんと砂糖、油があれば、大概の和食はつくれます。
最近は便利な合わせ調味料が人気だと聞きますが、その味に慣れてしまうと、本来の味を忘れてしまうような気がします。
シンプルな素材だけでできた調味料は、体にもよく、飽きずに食べ続けることができると思います。
かつお昆布だし
煮ものやお吸いものなど和食にはなくてはならない「だし」。
時間のあるときは、素材を煮出してだしを取ってみましょう。透き通った黄金色のだしは、おいしい和食のベースをつくります。
材料(約1.5L分)
●昆布 | 10g |
●かつお節 | 10g |
つくり方
1 鍋に1.5Lとの水、昆布、かつお節を入れ、時間があるときはそのまましばらくおく。
2 弱めの中火にかけ、沸騰しそうになったら弱火にしてそのまま5分ほど煮て火を止める。沸騰させると昆布のえぐみが出るので気を付けること。
3 かつお節が沈んだら、ペーパータオルを敷いたざるをボウルにのせ、1を注ぐ。
*冷蔵庫で2~3日保存可能。
自家製めんつゆ
めんつゆは「かえし」とも呼ばれ、そばつゆや煮ものなどに幅広く使えるのでつくっておくと便利です。
余計なものが何も入っていない自家製のおいしさは格別。保存もきくので、ぜひ試してみてください。
材料(約500mL分)
● 昆布 | 5g(8~10cm 1枚) |
● かつお節 | 20g |
● 醤油、みりん | 各1カップ |
● 酒 | 1/2カップ |
つくり方
1 鍋に材料すべてを入れて一晩おく。
2 鍋を弱めの中火にかけ、沸騰しそうになったら弱火にして5分ほど煮る。火を止めてそのまま冷ます。
3 ペーパータオルを敷いたざるをボウルにのせ、2を注ぐ。
*冷蔵庫で1か月ほど保存可能。
めんつゆをつくった後のだしがらを使って……
かつおふりかけ
めんつゆをつくった後のかつお節を捨てるのはもったいない。調味料がしっかりしみ込んでいるので、カラカラになるまで乾かせば、おいしいふりかけができ上がります。
お好みでごまや海苔などを混ぜてみてください。
材料(つくりやすい分量)
● めんつゆを作った後のかつお節 | 1回分 |
● 白炒りごま | 適量 |
つくり方
1 かつお節をペーパータオルなどを敷いたざるにのせ、天日で乾かして水分を飛ばす。
2 耐熱容器に広げて並べ、200Wの電子レンジにかけてさらに乾かす。8~10分を目安に加熱し、ひっくり返すなどしてまんべんなく乾くまで繰り返す。600Wの電子レンジの場合は2分を目安に加熱する。
3 全体がパラパラになったら手で細かくほぐす。好みでごまなどを混ぜる。
*だしを取った後のかつお節でもつくれるが、味が付いていないので、醤油を適量まぶしてから乾かして同様につくる。
〈撮影/大沼ショージ〉
本記事は『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)からの抜粋です
坂井より子(さかい・よりこ)
1946年生まれ。神奈川県葉山町に3世代7人で暮らす。子育てが落ち着いた40代後半から15年ほど、自宅で料理教室を主宰。主婦歴50 年の経験から生まれた暮らしの知恵、また人生を軽やかに生きるコツなどを独特のやさしい口調で語るその姿が、若い世代を含む幅広い年齢層に支持されている。『かぞくをつなぐ より子さんのレシピ帖』(家の光協会)は4冊目の著書で、これまで家族のためにつくってきた料理をまとめた初めての料理本。
◇ ◇ ◇
専業主婦歴50年の坂井より子さんが、家族のために毎日つくってきたレシピを初公開。なんでも手づくりしていた時代の昔懐かしい料理の数々は、今見ると新鮮で新しい発見があります。
特別な日のごちそうや子どもが好きな料理、地味だけど味わい深い家庭料理など、いつも家族の中心にあるのは「お母さんの料理」。
メディアで人気の坂井さんが次の世代に伝えたい家庭料理と台所仕事のことを一冊にまとめました。