(『天然生活』2021年11月号掲載)
齋藤菜々子さんの
健やかさを育むための6つの習慣
1 旬の食材を基本に献立を考える
![画像: 齋藤さんが提案する「薬膳」は、手に入りやすい身近な食材だけを使っているので、無理なく続けられる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/16/13120f760427d6f8d331fdcafaf161f07e3c6b21.jpg)
齋藤さんが提案する「薬膳」は、手に入りやすい身近な食材だけを使っているので、無理なく続けられる
旬の素材を食べることは、食養生の基本。「薬膳を学んでいくと『その季節に採れる素材を食べていれば、自然と体調は整っていく』ということがよく理解できます。
個々の食材の性質をあれこれ覚えるのが苦手な人も、『旬の素材を食べる』ことさえ頭に入れておけばOK」。秋に旬を迎える素材は、夏の疲れをいやしたり、体の乾燥を防いで粘膜を強くしてくれたりするものが多くあります。
2 野菜たっぷりの汁ものを食べる
![画像: えのきと白菜とベーコンの豆乳味噌スープ。タンパク質が入れば主菜にも](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/16/a431b6fca9c3b935d215d8de8adaf488d9724be9.jpg)
えのきと白菜とベーコンの豆乳味噌スープ。タンパク質が入れば主菜にも
煮ることでかさが減り、野菜をたっぷり食べられるのが、味噌汁やスープの利点。齋藤さんの得意料理であり、ほぼ毎日何かしら飲むようにしているそう。具だくさんにすれば満足度もアップし、手軽につくれるのもポイントです。
![画像: 日々の料理は凝った味付けはせず、ほとんど基本調味料でつくるそう](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/17/f957f5cd4fe6ad03893521e8d89e98db4701b28d.jpg)
日々の料理は凝った味付けはせず、ほとんど基本調味料でつくるそう
「秋はとくに、体に潤いをもたらすミルクや豆乳系のスープがおすすめ。発酵食品である味噌は消化を助け、白菜は便通をよくし、喉の乾燥も改善してくれます」
3 「摂ること」と同じくらい「出すこと」を意識
![画像: 腸を潤す役割がある牛乳。就寝前にホットミルクにして飲むことも](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/17/40cb9c97ff6141a006cc52fd789ba75aa32251ed.jpg)
腸を潤す役割がある牛乳。就寝前にホットミルクにして飲むことも
健康を意識すると「体にいいものを食べよう」と、つい「摂ること」ばかりに目が向きがちですが、薬膳では「きちんと排出することによって、体全体のめぐりがよくなる」と、「出すこと」も重要視します。
しかし秋は、空気が乾燥することで腸のすべりが悪くなり、便秘にもなりやすい季節。いつもよりも意識して「潤す食材」「腸のすべりをよくする食材」を食べるように心がけているのだとか。
![画像1: 油脂が多く含まれているナッツ類やごまも、腸のすべりをよくしてくれる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/16/bb50834878f38deccf55f0ac58a4d9f2ff6f277a.jpg)
油脂が多く含まれているナッツ類やごまも、腸のすべりをよくしてくれる
4 よくかんで胃腸の負担を減らす
![画像2: 油脂が多く含まれているナッツ類やごまも、腸のすべりをよくしてくれる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/16/37e8f69acee2c423975574c58ee53e0cf2b196cc.jpg)
油脂が多く含まれているナッツ類やごまも、腸のすべりをよくしてくれる
中医学の授業で教わった“そしゃくは第一の消化”という言葉が強く印象に残っているという齋藤さん。消化・吸収を行うのは胃腸ですが、口の中でよくかみ唾液と混ぜることで、それがうんとスムーズになります。
![画像: よくかむことで食事の満足感が増し、気持ちが落ち着く効果も](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/17/e745bf79c419aee30745bcede75846b318e2feae.jpg)
よくかむことで食事の満足感が増し、気持ちが落ち着く効果も
「おなかの調子が悪いときはお粥が定番ですが、よくかまずに飲んでいることも。それより普通のごはんをしっかりかんだほうが唾液も出て、不調が改善することもあるんです」
5 朝起きて、舌の状態をチェックする
![画像: 舌の状態は食事も影響するので、チェックは食後を避けるようにすること](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/16/83718bb6f06e040c2656b85dc59cee924829433d.jpg)
舌の状態は食事も影響するので、チェックは食後を避けるようにすること
朝起きて洗顔をするときに、舌の状態もセットで確認を。舌の横に歯のデコボコした跡があるようなら、むくんでいる証拠なので利尿作用のある食材をとるように。全体が白っぽいなら血をつくる肉・魚が不足しており、苔の色が黄味がかっているのは熱がこもっている状態。
「専門家のように詳しい診断はできなくても、毎日見つづけていると、何となく自分の体調の変化がわかってくるんです」
6 季節の養生を予習&おさらい
![画像: 時間があるときに気になるページをさっと読むだけでも役立つ2冊](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2023/10/16/f98285de213484bf4f3445e546a82ac435cd7240.jpg)
時間があるときに気になるページをさっと読むだけでも役立つ2冊
季節の変わり目は常に、意識するよりも早くやって来るもの。本を読み、次に来る季節の養生を予習しておけば、スムーズに移行できます。またいまの季節の反省点も復習しておくと、来年の体調管理に役立つとか。
齋藤さんがとくによく手に取るのは、365日の養生を日めくり形式でわかりやすく紹介している『まいにち漢方』と、中医学や養生の基本を教科書的に学べる『中医学ってなんだろう』。
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
齋藤菜々子(さいとう・ななこ)
一般企業に就職後、料理家のアシスタントを務めながら中医学・薬膳を学び、独立。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです