(『天然生活2021年11月号掲載)
食事
ながら食べはやめて食事に集中。心を満たす栄養素を意識して
食事には副交感神経を優位にして、心身をリラックスさせる効果があります。1日のうち1回だけでも、栄養バランスのよい食事をじっくり味わって食べるようにしましょう。
ながら食いや早食いでは、脳が「食事をしている」と認識できず、副交換神経がうまく働きません。
脳と密接につながっている腸の状態も重要です。幸せホルモンのセロトニンは90%、ドーパミンは50%が腸でつくられています。発酵食品を積極的に食べて腸内の善玉菌を増やし、腸内環境のバランスを整えて、幸せを感じやすい心になりましょう。
鉄分
女性に不足しがちな鉄分。幸せホルモンのセロトニンをつくるのに必須で、鉄や亜鉛が不足すると抑うつ状態になりがちに。
鉄を食事から十分な量摂るのは難しく、サプリメントのほか、鉄瓶や、「鉄玉子」と呼ばれる鉄製の玉を入れた鍋でお湯を沸かして、お茶や料理に使うのも鉄分摂取に役立つ。
タンパク質
タンパク質には、幸せホルモン・セロトニンの原料、アミノ酸「トリプトファン」が多く含まれる。
トリプトファンは体内でつくられないため、食事から摂取する必要が。肉や魚、豆腐、卵のほかに、タンパク質や鉄分が豊富なオートミール(おにぎりにするとおいしい)もおすすめ。
発酵食品
腸内環境が整っていることは、心の健康に直結する。腸には多種多様の菌が存在し、そのバランスがとれていることがポイント。
発酵食品は、腸内の善玉菌を増やす方法のひとつで、種類によって菌が異なる。乳酸菌、麹菌、納豆菌などがあるので、さまざまな発酵食品をバランスよく食べることが大切。
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<監修/福永伴子 取材・文/工藤千秋 イラスト/カトウミナエ>
福永伴子(ふくなが・ともこ)
医学博士。順天堂大学医学部卒業後、複数の病院での勤務を経て、2011年、心療内科・精神科「ともクリニック浜松町」を開業。著書に『わたしのココロにしてあげたいこと。』(朝日新聞出版)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです