(別冊天然生活「歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2」より)
歳を重ねて新しく始めた「食事」の習慣
ヘア&メイクアップアーチスト・山本浩未さん
タンパク質を意識して卵はちょっとよいものを
甘いおやつを控えて、タンパク質の摂れるかまぼこや魚肉ソーセージを食べるようになりました。どちらも添加物がなるべく少ないものを選び、常備しています。
卵も、少しいいものを選んで食べるようになりました。お菓子を買うよりは安いですし、体にもやさしいおやつです。
毎日1杯のお味噌汁も必ず。水出しのいりこだしを常備していますが、ないときは自家製味噌にかつお節を入れてお湯で溶くだけ。無理なく続けています。
郷土料理研究家・横山タカ子さん
使わなかった手帳に毎日の献立をメモ
毎日の食事は「一汁三菜+お漬物」。40代ごろまでは凝った調理もしましたが、いまは旬の食材を煮る、蒸すなどシンプルにつくれるものを。
栄養を損なわず、健康的においしくいただけます。秋深まるこの時季は、牛肉とおからを煮詰めたしぐれ煮や、キャベツや白菜のぬか漬けもいいですね。
献立は、使いそびれたいただきものの手帳にメモ。バランスや体の調子もわかり、去年もこれを食べていたな、と見返すのも楽しいです。
料理研究家・ウー・ウェンさん
食が細くなったからこそお気に入りの器に盛りつけて
子育て中は器よりも中身のボリューム重視でしたが、だんだん食べられる量も減り、その分、盛りつける器選びの楽しみが増えました。
少しだからこそ、器の余白も映えますし、そこからもらうエネルギーも含めてが食事です。
無理にたくさん食べようとはせず、体が必要としているものは何かを考えて、それがわからないときは野菜スープさえあれば大丈夫。疲れたときは、無理してつくるくらいなら、寝るのが一番。
スタイリスト・chizuさん
家族と一緒に食べられる朝食に一日の重点を
仕事柄、昼食を食べそびれたり、人と夕飯をご一緒したりも多いので、食事は朝に重点を置くようにしています。
朝は、自分で栄養も量もコントロールできますから。食べやすく栄養も摂れるスープやお味噌汁を必ず。赤味の肉やナッツなど、不足しがちなタンパク質とミネラル、カルシウムも意識しています。
いまは6歳離れた姉と一緒に住んでいるので、自然と朝はそろって食べるようになり、自分もバランスが整ってきたのを感じています。
Earthおばあちゃんねる・多良美智子さん
きのこはたっぷり。料理本から刺激を受ける
夫は決まった時間に食事をとる人でしたので、朝は7時、昼は12時、夜は18時半と、ひとりになったいまもその習慣が続いています。
意識して食べるようになったのは、きのこ類。きざんでお味噌汁やスープに入れます。料理本が好きなので、レシピというよりも盛りつけを参考にして楽しんでいます。
夜は、豆腐をつまみにそばちょこ1杯の日本酒を。冬は湯豆腐が定番です。食が細くなるのは当たり前ですから、自分が食べたいものを食べるようにしたいですね。
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<取材・文/藤沢あかり イラスト/松尾ミユキ>
ウー・ウェン(うー・うぇん)
中国・北京出身。ウー・ウェンクッキングサロンを主宰。医食同源に根ざした家庭料理のほか、シンプルで温かな生き方にも注目が。『ウー・ウェンの炒めもの』(高橋書店)など、著書多数。
多良美智子(たら・みちこ)
1934年生まれ。2020年から孫と始めた、日常を紹介するYouTube『Earthおばあちゃんねる』は登録者数14万人を超す。著書は『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』(すばる舎)。
chizu(ちず)
1955年生まれ。雑誌や広告でインテリアや食、ジュエリーなどのスタイリングのほか、店舗開発や商品開発も。著書は『私をぐっと素敵に見せる大人のおしゃれのひとさじ』(PHP研究所)。
山本浩未(やまもと・ひろみ)
ヘア&メイクアップの第一人者として女性誌や広告などでさまざまなテクニックやメソッドを提唱。自身の経験に基づいた、内面からポジティブに輝く人になるための提案も多数。
横山タカ子(よこやま・たかこ)
長野出身・在住。土地の食文化を生かすシンプルなレシピを研究し、伝えている。四季を暮らしに呼び込むしつらいのアイデアや手仕事にも定評が。近著は『私の梅仕事』(扶桑社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです