• 厳しい冬のあとには春が到来。暮らしに花を飾り、山菜を楽しみ、春を迎える準備を始めましょう。料理家の横山タカ子さんに、春を迎える料理を教わりました。
    (『天然生活』2021年3月号掲載)

    走りの山菜を少し添えて、越冬野菜にも春の装いを

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    食卓では、大根や長ねぎ、白菜など越冬野菜を食べ回す期間がしばらく続きます。1年かけて仕込んだ保存食を生かす献立もこの時季の醍醐味ですが、そろそろ春の気配を感じたい、と思ったら、お決まりの場所で山菜探しを

    「春先は、たくさん採れなくてもいいんです。出てきたばかりのよもぎを少しゆでて、とろろに加えたり、味噌汁にひとつふたつでもふきのとうをきざんで入れたり。その日に出合えた山菜をほんの少し添えるだけで目がいやされ心の栄養となる一品ができ上がります」

    どっさりと手に入るようになったら、近頃のお気に入りは豆乳鍋

    「だしの効いた豆乳スープを沸かしたところに、タンパク質の肉や魚類を少し、野菜はたっぷりと。スープごといただけば、塩分控えめでも十分おいしいんです」

    「旧暦で過ごすのがちょうどいい」という、信州の春支度は目から、心から。ゆっくり、じっくり英気を養って過ごします。

    横山タカ子さんの春を迎える料理

    この季節ならではの緑を、たっぷり食べて元気に。苦味や食感も楽しめるシンプルレシピを教わりました。

    「クレソンの豆乳しゃぶしゃぶ鍋」のつくり方

    だしの効いた豆乳スープで山盛りクレソンもペロリ。

    画像: 「クレソンの豆乳しゃぶしゃぶ鍋」のつくり方

    材料(4人分)

    <豆乳スープ>
    ・ 豆乳400mL
    ・ だし400mL
    ・ みりん大さじ2
    ・ 薄口しょうゆ大さじ2
    <具>
    ・ クレソン400g
    ・ 豚肩ロース肉(薄切り)400g
    ・ しいたけ5枚

    つくり方

     クレソンは水洗いして食べやすく分ける。しいたけは石づきを落とし、薄切りにする。豚肉は皿に取りやすく盛りつける。

     鍋に豆乳スープの材料を入れて火にかける。沸騰したら火を弱め、少しずつの具を入れていく。具に火がとおったらスープごと器にとっていただく。

    ※豆乳スープは基本の分量をもとに多めにつくっておき、少なくなったら適宜足していくとよい。

    ※具はこのほか、白身魚やぶり、さけなどの魚類、油揚げ、せり、レタスなどもおいしい。

    「菜の花の厚揚げあえ」のつくり方

    豆腐の白あえを厚揚げに替えればコク深い味わいの一品が手軽に。

    画像: 「菜の花の厚揚げあえ」のつくり方

    材料(4人分)

    ⚫︎ 菜の花200g
    ⚫︎ 厚揚げ250g
    ⚫︎ 白ごま大さじ1
    ⚫︎ みりん大さじ1
    ⚫︎ 薄口しょうゆ大さじ2

    つくり方

     菜の花は切り口を少し切り落とし、全体を水にくぐらせて洗う。

     鍋にたっぷりの湯を沸かし、をさっとゆでて水けをしぼり、2cm長さに切る。

     厚揚げは油抜き程度に1分ほどゆで、キッチンペーパーなどで水けをふきとる。

     ごまは炒り、すり鉢で半ずりにする。

     をちぎりながら入れ、少し形が残る程度にすりこ木で全体をついたら、みりん、しょうゆを加えて味をととのえる。

     を加え、全体を大きくあえる。



    <撮影/山浦剛典 取材・文/玉木美企子>

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    長野県在住。長野各地の食文化を研究して生まれた保存食や、素材を生かすシンプルなレシピに定評がある。『信州四季暮らし』(扶桑社)ほか、著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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