(『本間真二郎さんの病気にならない暮らし方』より)
医の前に食があり、食の前に農がある
自然に沿った暮らしがつくる、すこやかな体
地域医療に従事しながら、家族とともに自然に沿った暮らしをしている、自然派医師の本間真二郎先生。
かつては勤務医として忙しく働き、自然からはかけ離れた生活をしていましたが、アメリカ留学の直前に起きた、9・11同時多発テロ事件をきっかけに、それまで一般的に常識と考えていたことが「本当に正しいのだろうか?」と疑問をもつようになったといいます。
「たとえば病院で診る患者さんは『風邪』が一番多いですが、処方する薬は発熱や咳などを抑える対症的なもの。風邪自体を治す薬というものは存在しなくて、結局は自身の自然治癒力で治っていく。
では医療の意味とは何か? 自然治癒力を高めるにはどうすればいい? そんな根っこの部分から真剣に考えました」
自然治癒力を生み出すのは「食」。そして食と健康の関係を突き詰めると、「農」に行き着く。
そう考えた本間先生は帰国後、栃木県那須烏山市に移住し、自然農で作物の栽培を始めたのです。
かつては極端な冷え性で、暑い日も汗をかけない体だったという本間先生。けれども自然に沿った暮らしをしていくうちに、心も体も大きく変化しました。
「いま、街中で暮らすすべての人が、いきなり自然な暮らしをすることは難しい。けれど、自然から離れれば離れるほど、命というものは削られていくものなのです。
何かに迷ったとき、一人ひとりが『これは自然か、自然でないか』を自分の頭で考えて、選び、実践していく。その継続で、すこやかさというものは、育まれていくのだと思います」
〈撮影/山田耕司 取材・文/田中のり子〉
※ 本記事は『本間真二郎さんの病気にならない暮らし方』(扶桑社)からの抜粋です。
本間真二郎(ほんま・しんじろう)
1969年北海道生まれ。小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、札幌医科大学新生児集中治療室(NICU)室長に就任。2009年に栃木県へ移住し、那須烏山市の「七合診療所」の所長に。地域医療に従事しながら、妻、2人の子どもとともに、自然に沿った暮らしを実践中。『病気を遠ざける暮らし方 できることから、ひとつずつ。自然に沿ってゆるく生きる』、『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る衣食住50の工夫』(ともに講談社ビーシー)、『自然に沿った子どもの暮らし・体・心のこと大全』(大和書房)ほか著書多数。雑誌『天然生活』の連載や特集での反響も大きく、多くの支持を集めている。
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地域医療に従事しながら、妻、2人の子どもとともに、自然に沿った暮らしをしている、自然派医師の本間真二郎さん。
アメリカでウイルス学、ワクチン学の研究に携わり、帰国後は栃木県へ移住し、那須烏山市の「七合診療所」の所長に。この地で、病気にならない暮らしを実践しています。
その秘訣は、体を温め、その場所の季節の食べ物を食べて、ミネラルをたっぷり摂って、腸内細菌を元気にすることで、免疫力を高めること。大きな病を防ぎ、冷えや気象病などの病気やトラブルを防ぎます。
そんな本間先生の健康についてのアドバイスと、家族との自然に沿った農を楽しむ暮らし、食べ物、お手当方法をまとめました。本間家の定番の自然治癒力を高めてくれる食品やお手当の材料、免疫力をあげる発酵食レシピも必見です。
古くて新しい視点で、現代の疲れた心と体を健やかにしてくれる一冊になりました。