(『天然生活』2021年8月号掲載)
ハーブのお手当て方法4つ
飲む
ハーブティーやハーブのエッセンスを抽出したチンキ(タンチュメール)などを使用する方法。胃・小腸といった消化器官を通して、有効成分をしっかりと吸収させることができる。
市販のティーバッグなども種類が豊富なので試しやすく、最も簡単で継続しやすいお手当ての基本。
塗る
精油(植物から抽出されたエッセンス)を使用する方法。キャリアオイル※で希釈して皮膚に塗ることで肌に浸透させ、毛細血管から有効成分が吸収できる。
精油の含まれた市販のオイルやクリーム、バーム、入浴剤などを使用するのもおすすめ。使用前に必ずパッチテストを行うこと。
※キャリアオイル……精油を希釈して使うための植物オイル。500円玉大のキャリアオイルに精油1滴を基本に。ホホバオイル、アルガンオイルなど好みのものを。
香る
精油を使用する方法。香りは嗅覚からわずか1.5秒で脳へ信号が送られます。
ディフューザーで精油を焚いて芳香浴をしたり、浴槽に精油を混ぜたバスソルトを入れたり、浴室の洗い場に精油を数滴垂らして蒸気浴をするのがおすすめ。精油入りのフレグランスもある。
食べる
野菜や果実と同様、ハーブを日々の食事に取り入れる方法。薬理効果のあるものをバランスよく食べることで、ゆるやかに体を整える手助けをしてくれる。
フレッシュハーブは一度手のひらでたたいて香りを出してから使うと効果的。有効成分が凝縮されたサプリメントを使用するのも手。
病気を乗り越えた「植物療法(フィトテラピー)」との出会い
若年性更年期障害を植物の力で治癒させた経験をもつ南上さん。できるだけ薬を使わず、自然のものでケアできないかと考え、出合ったのがフランス発祥の「植物療法(フィトテラピー)」でした。
日本における第一人者・森田敦子さんのスクールで学びながら自身の体を見つめ、ハーブによる改善をスタート。
月経が止まり排卵がなくなった状態から1年がかりで摂取を続けることで、症状は少しずつ改善し、その後ふたりのお子さんにも恵まれたといいます。
「植物療法のいいところは、体と心の両方に働きかけてくれること。中国の漢方もそうですが、ヨーロッパでは歴史が古く、医療のなかに組み込まれている事例も数多くあります。
人類が千年以上も摂取しつづけている植物がほとんどなので、安心して取り入れることができました。以来、この『自然ぐすり』を、日常感じるさまざまな不調に活用しています」
ドライとフレッシュハーブの使い分け方
ハーブの成分がギュッと凝縮されているため、ドライハーブのほうがより効率よく摂取できる。そのため、目的が明確な場合はドライを使う。
香りを楽しめるフレッシュハーブはリラックス効果も期待できるので、気分やライフスタイルに合わせて選んでOK。
〈監修/南上夕佳 イラスト/はまだなぎさ 取材・文/片田理恵〉
南上夕佳(なんじょう・ゆか)
植物療法士。ルボア フィトテラピースクール副代表。ホルモンバランスをくずしたことをきっかけに植物療法と出合い、日本における第一人者である森田敦子氏に師事。自身の経験を生かし、女性のライフスタイルに合わせたさまざまな療法を広めている。著書に『自然ぐすり生活』(ワニブックス)がある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです