• 体と心のプチ不調を植物を使って整える「植物療法フィトテラピー」。手に入りやすい身近なハーブでできるお手当て法を、南上夕佳さんに聞きました。夏バテを解消するハーブ3つとお手当て方法を紹介します。
    (『天然生活』2021年8月号掲載)

    夏バテ解消に役立つハーブ

    シベリアンジンセン

    画像: シベリアンジンセン

    血流をよくしたり、体温を上げたりするのに有効なハーブ。冷房の効いた部屋で過ごすことの多いとき、冷たいものを多くとりがちなときにおすすめ。

    不調に適応して整えてくれる作用があり、下がった免疫を上げたり、上がった血圧を下げたりと体内バランスを調整してくれる。

    お手当て方法:飲む

    ハーブティー、サプリメント、ハーブチンキ(水で希釈)で飲む。ドライハーブを使用する場合は弱火でじっくり煮出す。夜に飲むと眠れない場合があるので15時までに飲むこと。

    オタネニンジン

    画像: オタネニンジン

    朝鮮人参、高麗人参ともいわれるハーブで、古くから強壮剤として活用されている。根っこ部分を摂取するので、どっしりと安定感があり、体を土台から元気にする働きがある。

    15時までに飲むこと。6年根とよばれる土の中で6年育ったものがより効果が高い。

    お手当て方法:飲む

    シベリアンジンセンと同様に飲む。梅雨時季に体調が悪くなりがちな人は、週に1回程度継続して飲むとよい。疲労予防にも、疲労が蓄積してしまったあとの回復時にも飲むことができる。

    ジュニパー

    画像: ジュニパー

    毒素や老廃物を体外に排出し、デトックスする働きをもつハーブ。利尿作用が代謝をスムーズにしてくれるので、夏バテにつきもののむくみのケアにおすすめ。

    すっきりとした香りが特徴で、ジンなどの蒸留酒の香りづけに使われることでも有名。

    お手当て方法:香る

    精油で芳香浴をする。ディフューザーを使って焚くか、湯を張った浴槽に精油の入ったバスソルトを入れる、あるいは浴室の洗い場に数滴垂らしてシャワーで湯を当て、気化させて使用。

    ハーブのお手当て、まず試したいのは「飲む」こと

    ハーブのお手当てには主ニ4つ【飲む・塗る・香る・食べる】のやり方がありますが、まず最初に試したいのは「飲む」こと。とりわけ温かいハーブティーがおすすめだそう。

    「消化器系を温めるので、有効成分をしっかり吸収させることができるんです。いまは市販のティーバッグでもさまざまなものが売られているので、香りや効能をチェックして、気になるものから試してみてください。単体の乾燥ハーブを使う場合は、200mLのお湯に小さじ2〜3杯の茶葉でつくること。一煎目のお茶にすべての成分が溶け込んでいるので、日本茶や中国茶のように二煎目、三煎目と飲むのはNGです」

    たしかに、ノンカフェインのハーブティーなら暮らしに取り入れやすそう。ほっとひと息つきたいときに、体調のケアをしながらティータイムが楽しめるなんて理想的かもしれません。

    「ハーブの効能って1日、2日程度ではわかりにくいんです。数週間や数カ月と長期的に気長に続けてほしいですね。そしてよくなったらすぱっとやめる。ハーブは自分の体本来の力を整えてくれるので、その力が戻ってくれば、お休みして大丈夫。自分の不調を自分で手当てできる、心と体両方のお守り。それが私にとっての植物療法なんです」

    お手当てにハーブを使う際の注意点

    画像1: お手当てにハーブを使う際の注意点

    個人差があります

    植物の作用や効用は個人によって異なります。また季節や体調などの環境の変化によって、同じ人が使っても反応に差が出る場合があります。

    子どもや高齢者は分量を減らしましょう

    ここで紹介したお手当て法は、健康な成人を対象としています。子どもや高齢者に使う場合は体調を見極めながら、分量を減らすなど工夫してください。

    妊娠中は医師に相談しましょう

    妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある人が使う場合、注意が必要なハーブがあります。ふだんは問題ないものでも体の変化が大きい妊娠時にはまず医師に確認を。

    無農薬のハーブがおすすめです

    できれば無農薬のハーブを使うのがおすすめ。気になるときは重曹水に30分ひたし、よく洗い流しましょう。

    精油を使うときはパッチテストを

    精油を使用する際は事前に必ずパッチテストを行うこと。ごく少量をキャリアオイルで希釈して肌の柔らかい部分に塗り、12〜24時間、かゆみや赤みが出ないか様子をみます。



    〈監修/南上夕佳 イラスト/はまだなぎさ 取材・文/片田理恵〉

    画像2: お手当てにハーブを使う際の注意点

    南上夕佳(なんじょう・ゆか)
    植物療法士。ルボア フィトテラピースクール副代表。ホルモンバランスをくずしたことをきっかけに植物療法と出合い、日本における第一人者である森田敦子氏に師事。自身の経験を生かし、女性のライフスタイルに合わせたさまざまな療法を広めている。著書に『自然ぐすり生活』(ワニブックス)がある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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