ハチとシロップの里親さんが見つかりました!
前回までに登場していた、預かりっ子のハチとシロップですが、遂に里親さんが見つかりました。
ご夫婦で片方とは、仕事で毎週のように会う人で、家も近くてなにかと安心。
ハチとシロップ、そもそも我が家で出逢っただけで、血の繋がりはありません。ハチはセンターに駆除目的で持ち込まれたシャイでびびりな子。
シロップは多頭飼育崩壊の現場から兄弟と来た子で、大らかでお客さん大好き。
凸凹というか陰陽コンビなのだけれど、一緒に成長しただけあってけっこう仲良し。しかも、男子なのにふたりともお腹を切るというハプニングもあり……(詳しくは過去の記事にて)、譲渡までに時間もお金も掛かった子たちでもある。
里親さん宅に行って数週間後、予想通りシロップはすぐに馴れたものの、ハチはなにかとシャーと言うので触れ合えないとの事。
それじゃあと、正式譲渡の書類を貰いがてら様子を見に行くことに。
里親さんと暮らす、ハチとシロップの様子は?
家にお邪魔すると、シロップが尾っぽをぴーんと立ててお出迎えしてくれる。
ここで、憶えていて喜んでいるのねー、とか思う人もいるでしょう。いいえ、シロップは誰でも喜びます(笑)。
そしてハチはというと常にオープンなケージの中でじっとしている。人が側で動いている時はそうしている事が多いらしい。私は「ハチ久しぶりー!」とか言いながらシャーを言う隙を与えずに抱き上げた。
ハチが逃げようとしても手は離さない。すぐ手を放したら嫌な印象しか残らないから。
普通の人は優しいから、シャー言われたら怖いし、嫌なんだなと遠慮してしまうし、抵抗されたら手を放してしまう。
もちろんこれにはその子の性格とか人間と関わった時間とかも関係する。ハチの性格はよくわかっている。彼は怖くてシャーと言ってしまうだけで凶暴性はないしほんとうは甘えん坊。
そう、シャーにもレベルがあって、ハチのシャーは口だけの、5段階中のレベル1くらい。昨日まで野良でした、みたいな成猫だとたまにほんとにすごいシャーを発する強者がいて、高速猫パンチも出てくる。私でも怖い。でもいちばん怖いのはきっと猫だったりする。
そして最初はシャーシャー言っていた子が、甘えん坊になった時の感慨深さたるや。
話は戻って、かくいうハチもそういうタイプ。膝に乗せたまま、たまに逃げようとする彼をまーまーまー落ち着きなさい、とおさえつつ、チュールタイムも交えながら数十分。
徐々にうっとりとしてきた。飼い主も試したいと言うのでそっと渡す。ちょっと動揺しながらも、またおやつで気を紛らわせて、初めて家族の膝の上で徐々にリラックスしていくハチ。
シロップも私と飼い主の間にちょこんと寛いでいる。ハチがまたとろーんとし始めたので、結局、その日はそっとその場を後にした。その後数十分は飼い主と初めてまったりできたみたい。よかった。
と、ここまでは数週間前のはなし。
今日初めて人間が横になっているベッドに自ら来て、一緒に寝てくれたそうな。
よかったよかった。
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小禄広海(おろく・ひろみ)
幼少の頃からお菓子作りが好きで、Bakeromi(ベカロミ)という名前で活動中。現在は鎌倉、材木座にあるカフェに毎日お菓子を納める傍ら、猫の預かりボランティアを中心に保護活動もする、バタバタな毎日。来世はやはり家猫になりたい。
インスタグラム@catladyorock、@bakeromi