(『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』より)
ドイツ流ハーブの愉しみ方
ドイツ人にとってハーブは暮らしのなかに取り入れて、心身ともに豊かな日々を送れる大切なもの。
庭がなくても、市民農園やバルコニー、窓辺など、どこかで自分用のハーブを育てているのだそう。
身近な場所で育てているから、必要なときに必要な分だけ摘んで、料理に加えたり、ハーブティーにしたり、家庭薬として利用したり。ドイツ人のハーブの使い方はとても気軽なのだとか。
12年間ドイツで暮らし、フローリスト(花屋)として活躍した、フローリストファーマーの奥薗和子さん。
奥薗さんの著書『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』では、ハーブの育て方や、ハーブ料理のレシピ、ハーブの手仕事など、暮らしになじみ、心を豊かにするハーブ使いの知恵とアイデアを紹介しています。
本記事では、ドイツの家庭料理に欠かせないハーブ「イタリアンパセリ」などを使った、さわやかな香りのハーブサラダのつくり方をご紹介します。
ハーブサラダのつくり方
森や畑にやわらかいハーブがわさわさと茂る初夏に食べるサラダ。
グリルした山羊のチーズとはちみつを合わせても。
材料(2~3人分)
● お好みのハーブ(※1) | 80g |
● オリーブ油 | 大さじ1〜2 |
● レモン果汁(※2) | 大さじ1 |
● 塩、こしょう | 各少々 |
● チーズ | 少々 |
※1 イタリアンパセリ、フェンネル、ディル、チャービル、レモンバーム、エディブルフラワーなど。
※2 ワインビネガーでもよい。
つくり方
1 ハーブを水洗いし、キッチンペーパーなどで水気を拭く。
2 ハーブの葉を茎から外し、食べやすい大きさにちぎる。
3 オリーブ油、レモン果汁、塩、こしょうを混ぜてドレッシングをつくる。
4 3を入れたボウルに2を入れて、空気を含むようにふんわりと混ぜる。最後にチーズを振る。
〈MEMO〉
クセのあるハーブは、やわらかい葉の部分を小さめにちぎり、数種類のハーブと混ぜると、風味が増しておいしさが引き立つ。
清涼感のある香りで、どんな食材とも合う万能ハーブ
イタリアンパセリ
ドイツでは、イタリアンパセリはキッチンで使われる最も有名なハーブのひとつ。
伝統的な肉料理やジャガイモ料理には、刻んだイタリアンパセリが仕上げにかかっていることが多くあります。
縮れ葉のパセリに比べて、香りは穏やかで清涼感があり、クセがありません。
ビタミンC、Bカロテン、カリウムなどが豊富で、栄養価も高いです。
育てやすく、春と秋に種をまくと、一年中収穫できるのでとても便利。花をつけると株が弱るため、長く収穫したいときは、花芽を早めに摘み取りましょう。
〈撮影/高木あつ子 スタイリング/伊藤唯〉
※ 本記事は『ドイツ式 ハーブ農家の料理と手仕事』(山と渓谷社)からの抜粋です。
奥薗和子(おくぞの・かずこ)
⿅児島県⽣まれ。農家。ドイツマイスターフローリスト。2002年から2014年まで12年間、フローリストとしてドイツに滞在。⾃⽣する植物、蔓、枝、苔、樹⽪などを⽤いたアレンジメントの⼿法を知る中で、⾃らの⼿でハーブや草花、野菜を育てていきたいと思い⾄り、帰国。有機農業の研修を経て、2019年4⽉、東京都⻘梅市にて「lalafarmtable」を開園。ハーブ、草花、伝統野菜などを有機農法で栽培し、産地直送の定期便にて消費者に販売、好評を得ている。都内のレストランへの提携販売のほか、ファーマーズマーケットへの出店も⾏う。雑誌やイベントなどでも活躍中。
Instagram:@lalafarmtable
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暮らしに馴染み、心を豊かにする。
ドイツ流のハーブ使いの知恵とアイデア。
人気のハーブ20種の育て方のコツと、料理やインテリアでの生かし方を紹介します。
ハーブを育て、四季折々に楽しむlalafarmtable・奥薗和子さんが、長年のドイツ暮らしで身につけた、ハーブ使いの知恵とアイデアを詰め込んだ一冊。
定番のバジルやミントから、フェンネルやエディブルフラワーなど人気のハーブまで、全20種の育て方と、それぞれのハーブの特性を生かした料理や愉しみ方を紹介します。
また、ハーブの仕込みものや、日常を美しく彩るハーブのアレンジメントも掲載。
ハーブが好きな方はもちろん、ハーブって難しそう、でも生活に取り入れたい…と思っている方におすすめのドイツ流の味わい方、生かし方をお届けします。