(別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.39掲載)
お昼ごはんはつくらず、おいしいものをつくる人から購入
暮らしのなかで、広川さんが大切にしているのが「食べる」ことです。ゆるやかなヴィーガンの暮らしをしているそう。
「近所に自然食や減農薬のスーパーやカフェがいっぱい。お弁当屋さんも充実しているから、お昼ごはんは買ってくることが多いかな」
自分でつくることにこだわらず、おいしいものをつくる人がいれば、彼ら、彼女らとの出会いを生かす。そんな合理性もマチ子さんらしさです。
いまは、街を歩くたびに、ひっそりと自分の好きなことを仕事にしている人たちと出会うのが、楽しみなのだとか。
「『間借り喫茶』といって、本業は別にあるのだけれど、好きだからと、スペースを借りておいしいものをつくって販売している人たちがいるんです。『好き』のパワーってすごいって、感じるたびにワクワクするの」
大切なのは、その日、その時、大好きなことを諦めないということ
住み慣れた東京を離れて京都でのひとり暮らしは、さびしくないですか?と聞いてみると……。
「全然。ひとりで本を読んで、寝て、散歩して、ごはんを食べて。それがこの家で完結できるんです。私ね、四畳半の方丈で暮らすという『方丈記』の世界が理想なの」と語り、「いまが一番幸せ」というマチ子さん。
それは昔からずっと「いまここにある好きなこと」に向き合ってきたからだと教えられました。
〈撮影/石川奈都子 構成・文/一田憲子〉
本記事は別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.39からの抜粋です
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一冊を通してのテーマは、「大事なことをひとつだけ決める」。
家事を全部がんばると、長続きしなかったり、途中で疲れてしまったり。 そんなときは、これだけは譲れない、という一番大事なことをひとつだけ見つけてみるのはいかがでしょう?
ただし、「ひとつだけ」というところが難しい! 「ひとつ」をチョイスするということは、ほかを諦めるということです。 捨て去る勇気を持ったとき、 どうしても手放せない確かなものがきらりと輝きはじめます。
本書では、紆余曲折しながら、暮らしのなかの大事なことをひとつだけ決めた12人を取材。 その結果手に入れた、無理せずラクに暮らしを回していくための収納と段取りの仕組みづくりを紹介しています。
広川マチ子(ひろかわ・まちこ)
美術大学を卒業後、百貨店での商品企画のアドバイザーを経て渡米。アンティークの買い付けを行う。帰国後、東京・吉祥寺にヴィンテージの生地や雑貨の店「Socks* ciao!」をオープン。洋服のセミオーダーの店「A-materials」や、アートを展示する「A-things」と形態を変えたあと、実店舗はクローズ。2年前に京都に移住。
※ 記事中の情報は取材時のものです