• おいしくて体にもよい豆カレー。さまざまに調理でき、スパイスと合わせることで薬膳効果もアップ! 本記事では、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんの著書『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)より、「白いんげん豆となすのキーマカレー」のつくり方をご紹介します。

    豆×スパイスで薬膳効果アップ! おいしくて健康になる「豆カレー」

    インドで毎日のように食べられている豆カレー「ダール」。

    たんぱく質やビタミンBなどを多く含む豆は、ベジタリアンの多いインドの食を支える大切な食材。スパイスを加えることで薬膳効果もアップします。

    インドでは、豆の種類を変えたり、スパイスや香味野菜を加えたりして、さまざまな種類の豆カレーを味わっているのだそう。

    インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんは、インドでスパイス料理に魅せられ、さまざまな地方を歩き、現地の主婦から本場の家庭料理を習い、研究しています。

    本記事では、香取さんの著書『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)より、白あんの材料としてもおなじみ「白いんげん豆」を使った、「白いんげん豆となすのキーマカレー」のつくり方をご紹介します。

    どんな料理にも合わせやすい万能選手「白いんげん豆〈手亡(てぼう)〉」

    画像: どんな料理にも合わせやすい万能選手「白いんげん豆〈手亡(てぼう)〉」

    いんげん豆の仲間。楕円形で小粒のものは、栽培時に竹の支柱「手竹(てだけ)」が不要であることから「手亡(てぼう)」の名がついたといわれます。

    日本ではその色を生かして白あんの材料にすることが多く、フランスではカスレなどの煮込み料理などに使います。

    あっさりとした味わいで、比較的どんな料理にも向いています。大福豆で同じようにつくっても。

    白いんげん豆となすのキーマカレーのつくり方

    画像1: 白いんげん豆となすのキーマカレーのつくり方

    キーマカレーというと、いつも主役はひき肉ですが、この料理は白いんげん豆を主役にひき肉を味出しに使います。

    豆は下ゆでせずに、あめ色に炒めた玉ねぎとスパイスで炒めたひき肉と一緒に煮込み、そのうま味をなすに吸い込ませるのがコツ。

    多めのにんにくとトマトの酸味が、全体のまとめ役です。

    画像2: 白いんげん豆となすのキーマカレーのつくり方

    材料(4人分)

    ● 白いんげん豆〈手亡〉(乾燥)70g
    ● 豚ひき肉300g
    ● なす(大きめ乱切り)15cmのもの3本
    ● トマト(8等分のざく切り)大1個(200g)
    ● 玉ねぎ(ケララ切り ※1)200g
    ● にんにく、しょうが(各すりおろす)各1かけ(10g)
    ● サラダ油120mL
    スターター(※2)
    ・クミンシード小さじ1/2
    A 調合するもの
    ・ターメリック小さじ1/2
    ・レッドペッパー小さじ1/2
    ・コリアンダー小さじ3
    ・ベイリーフ1枚
    ・クローブ2個
    ・塩小さじ1強
    ● しょうゆ小さじ1
    ● ガラムマサラ小さじ1/2

    ※1:南インドのカレーでよく使う切り方。玉ねぎを縦半分に切り、切り口を下にして横に3等分(小さいものは2等分)に切り、繊維に沿って2~3mm厚さに切る。

    ※2:スターターとは料理の最初に炒めるスパイスのことで、油に香りを移し、薬効を出すことが目的。

    つくり方

     白いんげん豆はさっと洗い、水350mL(分量外)に8時間浸水させる。

     鍋に(圧力鍋を使う場合は、圧力鍋に)サラダ油を中火で温め、なすを軽く色づくまで焼き、取り出す。

     に残った油を中火で温め、スターターのクミンシードを数粒落とし、シューッと泡が出てきたら残りのクミンシードを入れ、香りが出て色づき始めたら玉ねぎを入れて、あめ色になるまで炒める。途中、油が少なくなったらサラダ油大さじ2(分量外)を足す。

     ににんにく、しょうが、ひき肉を入れ、肉に半分火が通ったら混ぜたAを入れて(写真a)さっと炒める。

    画像: (a) 肉に半分火が通ったら、Aのスパイスを入れてさっと炒める

    (a) 肉に半分火が通ったら、Aのスパイスを入れてさっと炒める

     の豆を浸水させた水を1/3程度加え(写真b)、その水分で鍋底の焦げをヘラでこそげ落とす。

    画像: (b) 豆を浸水させた水を1/3程度加え、鍋底の焦げをヘラでこそげ落とす

    (b) 豆を浸水させた水を1/3程度加え、鍋底の焦げをヘラでこそげ落とす

    の豆を残りの水ごと加え(写真c)、トマト、しょうゆを入れ、ふたをして強火にかける。煮立ったら弱火で約60分煮て、ふたを開けてガラムマサラ、のなすを加え、温める。

    画像: (c) 豆を残りの水ごと加える

    (c) 豆を残りの水ごと加える

    圧力鍋の場合

    のトマト、しょうゆを加えるところまで同様にし、ふたをして強火にかけ、高圧がかかったら10分加圧する。急冷し、ふたを開けてガラムマサラ、のなすを加え、温める。

    〈撮影/広瀬貴子 スタイリング/池水陽子〉

    ※ 本記事は『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)からの抜粋です。


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    『世界一おいしい 豆カレー』(香取 薫・著/誠文堂新光社・刊)

    画像: 「白いんげん豆」となすのキーマカレーのつくり方。世界一おいしい豆カレー/インド・スパイス料理研究家・香取 薫さん

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    インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんは、インドでスパイス料理に魅せられ、さまざまな地方を歩き、現地の主婦から本場の家庭料理を習い、研究しています。そんな著者がインドで毎日のように食べられているダールや、北インド・パンジャーブ州の名物・チャナー豆紅茶煮カレー、北インドの伝統料理・ラージマー豆とウーラド豆のダールマクニー、日本の食材も使った大豆と切り干し大根のカレーなど副菜も合わせて52品を紹介します。使用したスパイスの特徴も掲載、インド料理の基本であるスタータースパイスの炒め方や玉ねぎの炒め方は、プロセス写真入りです。


    香取 薫(かとり・かおる)

    画像: つくり方

    インド・スパイス料理研究家。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。
    1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイスをふんだんに使った料理に魅せられ、インド料理を研究し始める。全土を自らの足で渡り歩き、各地の主婦や数々のレストランの料理人、ホテルのシェフに料理を教わり、インドの多彩な食文化の上に成り立つレシピを習得してきた。1992年に東京・三鷹市に料理教室を立ち上げて以来、30年以上にわたってスパイスの普及とインドの文化の紹介に取り組んでいる。

    キッチンスタジオ ペイズリー
    https://curry-spice.jp



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