グリーンピース×カッテージチーズのごちそうカレー
インドのスパイス料理に魅せられ、30年以上にわたりスパイスの普及とインドの文化の紹介に取り組んでいる、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さん。
豆の持つ健康パワーや、スパイスと掛け合わせたときの使い勝手のよさから、さまざまな豆カレーのレシピを考案しています。
本記事では、香取さんの著書『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)より、野菜と豆のいいとこどりな「グリーンピース」を使った、「グリーンピースとパニールのカレー」のつくり方をご紹介します。
このカレーはベジタリアンのごちそう料理。揚げ焼きにしたパニール(インドのカッテージチーズ)とほんのり甘いグリーンピースがよく合います。
豆と緑黄色野菜の両方の栄養を含む「グリンピース」
豆の中でも野菜として食べられている、グリンピースは未成熟豆です。
豆と緑黄色野菜の両方の栄養を含むのが特徴で、ゆで時間が短く、使い勝手がよいのが魅力です。
季節のフレッシュなものはもちろんおいしいですが、最近は冷凍品も充実しているので、一年中利用できるのもうれしいところ。
グリンピースとパニールのカレーのつくり方
パニールはインドのカッテージチーズで、この料理はベジタリアンのごちそう料理です。
パニールは、いつもは牛乳を煮立てて手づくりしますが、ここでは市販の冷凍品を使い、手軽につくる方法をご紹介しました。
グリンピースの冷凍品は一年中使えるだけでなく、味が染み込みやすく、スパイス料理に向いているので、ぜひ活用ください。
材料(4人分)
● グリンピース(冷凍 ※1) | 1カップ |
● パニール(市販・冷凍)(写真a) | 1.5cm角200g |
●A | |
・玉ねぎ | 大1個(300g) |
・にんにく | 1かけ(10g) |
●B | |
・トマト | 2個(300g) |
・しょうが | 1かけ(10g) |
● サラダ油 | 100mL |
●スターター(※2) | |
・ギー(またはサラダ油) | 適量 |
・クミンシード | 小さじ2/3 |
・ヒーング(※3) | 小さじ1/5 |
●C 調合するもの | |
・ターメリック | 小さじ1 |
・レッドペッパー | 小さじ1/2 |
・コリアンダーパウダー | 小さじ2 |
・クミンパウダー | 小さじ1 |
・塩 | 小さじ1と1/2 |
● 水 | 200mL |
● ガラムマサラ | 小さじ1/2 |
※1:生は、さやから出して2〜3分ゆでる。
※2:スターターとは料理の最初に炒めるスパイスのことで、油に香りを移し、薬効を出すことが目的。
※3:駆風作用があり、豆料理に欠かせない。菜食料理のときのうま味出しとしても使われる、ベジタリアンにはとくに重要なスパイス。
つくり方
1 フードプロセッサーでA、Bをそれぞれペースト状にする。
2 パニールは解凍する。小さなフライパンにサラダ油を熱し、パニールを揚げ焼きにし(写真b)、軽く色がついたら取り出す(残った油はとっておく)。
3 2のフライパンに残った油とスターターのギーを足して計100mLにし、中火で温め、クミンシードを数粒落とし、シューッと泡が出てきたら残りのクミンシードを入れ、香りが出て色づき始めたらヒーングを入れてさっと混ぜる。
4 Aのペーストを加えて中火で10分炒め、Bを加えたら、強火にし、そのまま20分かけて水分が抜けるに従い、火力を落しながら煮詰めるように炒める。
5 4の玉ねぎなどがしっかりあめ色になって半量以下になり、油が染み出してきたら、混ぜたCを加えて(写真c)なじませる。
水分がなくなり、油が再び染み出してきたら分量の水を少しずつ加えて濃度をゆるめ、煮立ったらグリンピース、2のパニールを入れる。再び煮立ったらふたをして弱火で5分煮て、仕上げにガラムマサラをふり、火を止める。
〈撮影/広瀬貴子 スタイリング/池水陽子〉
※ 本記事は『世界一おいしい 豆カレー』(誠文堂新光社)からの抜粋です。
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インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんは、インドでスパイス料理に魅せられ、さまざまな地方を歩き、現地の主婦から本場の家庭料理を習い、研究しています。そんな著者がインドで毎日のように食べられているダールや、北インド・パンジャーブ州の名物・チャナー豆紅茶煮カレー、北インドの伝統料理・ラージマー豆とウーラド豆のダールマクニー、日本の食材も使った大豆と切り干し大根のカレーなど副菜も合わせて52品を紹介します。使用したスパイスの特徴も掲載、インド料理の基本であるスタータースパイスの炒め方や玉ねぎの炒め方は、プロセス写真入りです。
香取 薫(かとり・かおる)
インド・スパイス料理研究家。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイスをふんだんに使った料理に魅せられ、インド料理を研究し始める。全土を自らの足で渡り歩き、各地の主婦や数々のレストランの料理人、ホテルのシェフに料理を教わり、インドの多彩な食文化の上に成り立つレシピを習得してきた。1992年に東京・三鷹市に料理教室を立ち上げて以来、30年以上にわたってスパイスの普及とインドの文化の紹介に取り組んでいる。
キッチンスタジオ ペイズリー
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