(『天然生活』2023年10月号掲載)
ハーブやアロマとともに、自分と向き合う夜時間
参鶏湯(サムゲタン)研究家であり、漢方植物療法士でもある、脇もとこさん。
49歳のときに体の不調を感じ、それまで以上に自分の体と心に向き合うようになったといいます。
「ひとりになれる夜こそ、自分の声を聞く時間にしたい」という脇さんに夜時間の過ごし方と、ハーブティーやアロマなど、さまざまなセルフケアについて教えていただきました。
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前回のお話はこちら▼
脇さんの「夜の時間割」
19:00 | 夕食 |
20:00 | 夕食の片づけ(キッチン磨き、ホウロウ磨きなど) |
21:00 | ハーブティーを飲む、新聞を読む |
22:00 | 入浴、やわらかい光で過ごす、アロマを焚く、マッサージなど |
23:00 | 就寝 |
夕方からの夜時間の過ごし方
19:00 夕食に参鶏湯を食べる
仕事柄ということだけでなく、毎日食べても飽きないという参鶏湯。丸鶏にしょうが、にんにく、もち米、高麗人参、なつめ、クコの実、松の実を入れて煮るだけ。
「エネルギーと血、水を補ってくれるスーパーフード。鍋みたいに、季節の野菜を入れたりして楽しむことも。消化もいいので、すっきりと一日を終えることができます」
20:00 真鍮のスッカラやホウロウ鍋を磨く
白いものは白く、光るべきものが光ると気持ちよく次の日が迎えられるもの。よく使うスッカラやホウロウ鍋は錆などでくすみやすいので、夜のうちに磨くを習慣に。
スッカラは洗ってすぐにふけばピカピカに。鍋は重曹を入れた水を沸かし、菜箸を使ってヘチマタワシで磨いて。「タワシの除菌もできて一石二鳥です」
21:00 ハーブティーで胃腸を整える
食後は消化促進効果のあるものを。おすすめはサンザシのドライフルーツやミントティー。リラックス効果を高めたいときはカモミールとラベンダーをプラスして。
「甘さが欲しいときははちみつをプラスして。はちみつには効能を体に行きわたらせる働きがあります」。寝る前に胃腸をすっきりさせることで睡眠の質も上がるそう。
22:00 お風呂の時間を楽しむ
一日の体と心の疲れをいやすためにも、バスタイムはゆっくりと。アロマキャンドルの香りと明かり、スマートフォンでクリスタルボウルの音を流し、リラックスできる空間を整えることから始めます。
「浴槽の幅に合わせて切った木の板を渡して読書をすることも。頭を使いすぎないよう、詩集などイメージに浸れるものを選んで」
22:30 心を緩めるアロマを焚く
コロナ禍から意識して取り入れるようになったという植物療法。「精油それぞれの効能をその日の症状に合わせ、組み合わせることで取り入れています。
好きな香りはカルダモン、ゼラニウム、サンダルウッド。迷ったらラベンダーとティーツリー。単独でも混ぜてもいい香り。人気の香りだけあって、心にも体にも万能なんです」
22:45 やわらかい光で過ごす
就寝時間に向かって、家の明かりを消していき、やわらかい光で心を整えて。
「太陽がだんだん沈んで夜になる循環は、人の心身にも大切。夜は活動的な明かりではなく、やわらかい明かりにすることで、自然と休息モードに入っていきます」と脇さん。その日を終える段取りを習慣づけることで、入眠もスムーズになります。
脇さんの夜時間の楽しみ
エプソムソルト
お風呂の中にデトックス効果のあるエプソムソルトを入れることも夜時間の習慣。
成分が塩ではなく硫酸マグネシウムなので、浴槽が傷まない。また、発汗作用があり、血流をよくしてくれるので、ゆっくりと浸かることで、体の凝りやむくみの解消にもつながる。
〈撮影/三村健二 取材・文/竹田理紀〉
脇もとこ(わき・もとこ)
参鶏湯研究家、漢方植物療法士。完全食である参鶏湯に魅了され中医学や漢方、植物療法を学ぶ。薬に頼らず身近な食材で体調を整えられるように、というテーマで漢方薬局と共同開発した参鶏湯スパイスセットや冷凍参鶏湯、ハーバルビネガー販売のほか、個人セッションによるハーブティー処方やライフスタイルアドバイスを行っている。https://kitchenpharmacy.shop/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
天然生活2024年10月号では「私が整う夜時間」を特集しています。
「今日のやらなければいけないことを片づけ、心と体をほぐす、いやしの夜時間。
新しい明日を迎えるために、まずはまっさらな自分へとリセットを」
ぜひご覧いただけましたら幸いです。
天然生活 2024年10月号
https://shop.tennenseikatsu.jp/items/89902065