(『天然生活』2022年6月号掲載)
ハーブティーの道具
葉や根、花など、植物のさまざまな部位を使うハーブティー。中が見えるガラス製品を使ってその多彩な表情を楽しみましょう。
ポット(茶こし付き)
茶こし部分が広めのタイプなら、茶葉を入れやすくじっくりと蒸らすことができる。たっぷり入るサイズは取っ手が大きく持ちやすい。
ポット(茶こしなし)
茶こしなしのポットも愛用。「よれていないハーブの葉や花は、お湯の中で浮遊しながら乾燥した状態が開き、成分が抽出されます」
片手鍋
ガラス製は煮出している間の葉の状態がわかりやすい。スタイリストの風間ゆみえさんからのギフト、イタリアの「knIndustrie(ケイエヌインダストリー)」の片手鍋を愛用。
カップ
味わいながら美しい見た目も楽しむため、ガラス製がおすすめ。「ただしガラスは冷めやすいのが玉にきず。保温性を重視する場合は陶器製のものを」
ジャグ
効能を楽しむハーブティーは、一日、数回に分けて飲むのがおすすめ。梅屋さんは「KINTO」のジャグにたっぷり淹れて、朝昼晩と飲むようにしている。
茶こし
鍋で葉を煮出した際に必ず必要な茶こし。フランスの蚤の市などでアンティークのものを探したり、いくつもコレクションしている。
ハーブティーの煮出し方
茎や根っこなど植物のかたい部分には熱を加えると抽出される成分があるので、煮出して飲む方法が適しています。
煮出す時間はハーブに合わせて調節を。
1 使うハーブは目的に合わせ3~5種類くらいが目安。あまりたくさんの種類を混ぜると目的が定まりにくくなるので注意。
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2 水500mLにテーブルスプーン2杯分のハーブを入れ中火にかける。ハーブは何種類でも、全体の総量をテーブルスプーン2杯分にする。
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3 沸騰したら火を弱め、ふつふつと茶葉が舞う状態で2~5分煮出す。香りが飛ぶので沸騰させすぎないように。
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4 火を止め、ふたをして10分おき、蒸らす。こうすることで、お茶全体のエネルギーが落ち着く。
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5 茶こしでこす。煮出した分はその日のうちに飲むこと(1日カップ3杯程度)。常温か温め直して飲んでもよい。夏は冷蔵庫で保存を。
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〈撮影/山川修一 取材・文/松永加奈 構成/鈴木麻子〉
梅屋香織(うめや・かおり)
薬剤師、フランス植物療法士。日本の調剤薬局、パリの薬草専門店での勤務を経て、2022年、ハーブ専門のコンセプトドラッグストア「ドラッグストア フィトリート」(東京都渋谷区神宮前4-26-27)を開業。植物療法士の知見を生かし、手軽にできる植物セルフケアを提案。近著に『ハーブではじめる植物療法の手引き』(グラフィック社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです