(『天然生活』2021年12月号掲載)
渡邊さんちの冬じたく 01
ソファ周りを冬仕様に整える
肌寒くなって渡邊さんがまず引っ張り出してくるのが、スウェーデン・ゴットランド島でしか生息していない希少な羊、ゴットランドシープのブランケット。
「軽くて温かく、肌触りも素晴らしい。シンプルなデザインも好みで、30年愛用しています」
ソファカバーは「夏も涼しく過ごせる」と1年中ウールですが、クッションのひとつをクリスマス仕様のカバーに替えて、気分を盛り上げます。
渡邊さんちの冬じたく 02
薪ストーブの準備をする
「冬の準備といったら、とにかく薪」と渡邊さんが話すように、雪が深く寒い北海道の冬を乗りきるためには、薪ストーブで使う薪が必須。定位置に十分な量をストックしてあることが前提です。
店でオリジナルの木製家具や住宅を手がけているため、「イタヤカエデなど、家具の製作過程で発生する端材も薪にしています」
本格的な冬が到来する前に欠かせない、北の暮らしの大事な家仕事です。
渡邊さんちの冬じたく 03
カバノアナタケ茶をホットで飲む
白樺の幹に生息する珍しいきのこ「カバノアナタケ」を家族そろって常飲している渡邊家。
「知人が山で採ってきてくれるんです。硬いこぶのようなきのこで、すりおろして粉末状にしたものを雑穀茶と合わせてお茶にします」
夏は水出しですが、涼しくなってきたらもっぱらホットで。「会社では、薪ストーブに土瓶を載せて煮出しながら、水を注ぎ足しては1日中飲んでいますね」
渡邊さんちの冬じたく 04
クリスマスのしつらえを孫と楽しむ
「クリスマスは待っている時間が一番楽しい。それならその時間を長くしたらいいでしょう?」
一足先にクリスマスムードになる店に少し遅れて、渡邊家でも11月にはクリスマスのしつらえを始めます。
3年前から同居することになった3人のお孫さんたちと一緒に、ツリーを飾ったり、スウェーデンのトムテや藁でつくった山羊の置き物を並べたり。待つ楽しみを存分に味わいます。
渡邊さんちの冬じたく 05
畑の収穫物をドライにする
春先に敷地内にビニールハウスを建て、撤去する10月終わりまで、ハーブや野菜を栽培しています。
フレッシュで使いきれない分のハーブは保存。以前は自然乾燥させていましたが、3年前にフードドライヤーを導入しました。
「おかげで変色せず、鮮やかな緑色のまま完全に乾燥できるようになりました。ミニトマトもこれでセミドライにしてオイル漬けにしたらおいしかったです」と、にっこり。
〈撮影/古瀬 桂 取材・文/遊馬里江〉
渡邊雅美(わたなべ・まさみ)
北海道・東川町で道産無垢材の家具や家づくりを行う「北の住まい設計社」を夫婦で営む。ショップやカフェも併設。http://www.kitanosumaisekkeisha.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです