• 服飾作家の美濃羽まゆみさんは「服を選ぶことは、自分の人生を選ぶこと」といいます。それはふたりの子どもたちが教えてくれたこと。学校に通うことをやめ、自分らしく生きる道に進んだことで、ふたりの心や服装はどのように変化していったのでしょうか? 美濃羽さんにお話を伺いました。

    いまや懐かしき妖精スタイル

    そんなふうに、まめぴーの個性に改めて向き合う時間を重ねながら、私たちふたりが彼の学校に行かない選択を心の底から受け入れられるようになったころ、彼の不思議な装いは自然と見られなくなりました。

    11歳になった現在、小学校に籍だけは置き、修学旅行などのイベントには参加しつつも、主に家庭で学習をし、フリースクールで友人たちや学生ボランティアさんと交流するという生活スタイルになったまめぴー。

    元気いっぱいに活動する彼はもう、私たち親の服をまとうことなどはなく、すっかり自分らしい服をセレクトするようになりました。

    彼好みのパステルグリーンやベビーピンク、サフランイエローのTシャツに、ボトムは動きやすいショートパンツといった具合です。

    そして、いまのところ彼がファッションで一番こだわっているのは、深海生物や動物の柄をあしらった、かわいらしい靴下!

    こだわるようになったきっかけは、彼とおなじく学校に行かない選択をした子どもたちを誘って、一緒に出かけた水族館でした。

    おみやげ売り場で見つけた個性的な靴下が気に入った彼。その靴下を履いて、いまはいろいろなところに出かけています。

    穴が開くと「繕って~」と私に手渡し、お直ししたものを大切に履いている様子を見ると、愛おしいやらほほえましいやら。

    あの妖精さんスタイルがもう見られないのはちょっと寂しいけれど、自分だけのクローゼットからウキウキとお気に入りを選んでいる後ろ姿を見られるのは、やはりうれしいものです。



    〈写真・イラスト・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

    画像: 私らしく装い、私らしく生きる

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。

    現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。

    ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
    インスタグラム:@minowa_mayumi
    voicy:FU-KOなまいにちラジオ

    * * *

    別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    別冊天然生活
    『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    別冊天然生活『美濃羽まゆみさんの手づくりのある暮らし』

    amazon.co.jp



    This article is a sponsored article by
    ''.