• 服飾作家の美濃羽まゆみさんは「服を選ぶことは、自分の人生を選ぶこと」といいます。それはふたりの子どもたちが教えてくれたこと。学校に通うことをやめ、自分らしく生きる道に進んだことで、ふたりの心や服装はどのように変化していったのでしょうか? 美濃羽さんにお話を伺いました。

    皆勤賞から、眠り姫へ

    さて、まめぴーが学校へ行かなくなってから2年ほど経ったころ、長女ゴンも同じく、学校に行かないという選択をすることになります。

    彼女は中学2年生の冬に、OD(※1)を発症したことをきっかけに、それまで皆勤賞をとるほどに真面目に通っていた学校に、ぴたりと行けなくなってしまったのです。

    ※1 起立性調節障害=自律神経系のバランスがくずれ、めまい、ふらつき、失神などのさまざまな症状を引き起こす

    ODは思春期特有のホルモンバランスの乱れからくる不調ともいわれています。

    ゴンは朝起きたときや急に立ち上がったときなどに、立ちくらみや倦怠感で動けなくなることもしばしばで、そばで見ていても本当に辛そうでした。

    ひどいときには一日15時間も布団のなかで過ごしていたなあ。あんなにも眠りの浅かった赤ちゃんのころとは対照的で、まるで眠り姫のようでした。

    少しずつ元気になってきたのは、単位制の高校(※2)に進学してから。ホルモンバランスも整ってきたのか、ODの症状も徐々に治まっていきました。

    ※2 決められた単位を修得すれば卒業できる高等学校のこと。大学のカリキュラム制のように、自分の学習計画に基づいて科目を選択して学習できる



    〈写真・イラスト・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

    画像: 私らしく装い、私らしく生きる

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。

    現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。

    ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
    インスタグラム:@minowa_mayumi
    voicy:FU-KOなまいにちラジオ

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