• 新聞を自在に使った独創的なちぎり絵が、多くの人の心に驚きと感動を運んでいる木村セツさん。ちぎり絵を始めたのはなんと89歳のとき。長年連れ添った夫を亡くし、悲しみに暮れていた頃でした。「ちぎり絵を始めてからやる気がどんどん出てきて、いまは勇んでやっています」というセツさんにお話を伺いました。
    (『天然生活』2021年1月号掲載)

    89歳から始めた「ちぎり絵」が大人気の木村セツさん

    画像: 新聞が素材とは思えない色彩豊かな作品。野菜の色をひとつ出すにも、細かい紙片を何枚も組み合わせて表現する

    新聞が素材とは思えない色彩豊かな作品。野菜の色をひとつ出すにも、細かい紙片を何枚も組み合わせて表現する

    いくつもの色と柄、そして文字が重なり合うそのちぎり絵は、どこかユーモラスで天衣無縫な繊細さも秘め、心に迫ってきます。

    作者は木村セツさん、91歳(※2020年11月当時)。取材時はちぎり絵を始めて、まだ2年足らず。にもかかわらず、セツさんの作品をたくさんの人が心待ちにしています。

    火つけ役は、セツさんの孫で漫画家の木村いこさんです。セツさんの作品を初めて見て「感性が爆発している」と衝撃を受けたいこさんは、ツイッター(現X)で紹介を始め、じわじわ話題に。

    その後、作品集が出版され、各地で原画展も開催。現在、ツイッターのフォロワー数は4万人を超える人気ぶりなのです。(※2024年11月現在、Xのフォロワー数は9.3万人)

    セツさんはいいます。「人数聞いてびっくりしてますねん。ほんまにありがたいなぁ思てます。私、趣味なんてなかったのに、これを始めてから、やる気がどんどんできまして。毎日、勇んで勇んでやってます」

    画像: 制作に没頭するセツさん。「観察が一番大事です。私、時間をかまわんとするから、昼寝もせなあかんよと娘に怒られます」

    制作に没頭するセツさん。「観察が一番大事です。私、時間をかまわんとするから、昼寝もせなあかんよと娘に怒られます」


    〈撮影/佐伯慎亮、山川修一 取材・文/熊坂麻美〉

    木村 セツ(きむら・せつ)
    奈良県生まれ。3人の子どもを育てながら養鶏や農業に従事する。2019年からちぎり絵を始める。作品をまとめた書籍に『90歳セツの新聞ちぎり絵』amazonで見る、『91歳セツの新聞ちぎり絵ポストカードブック』amazonで見る、『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』amazonで見る(すべて里山社)、孫の木村いことの共著に『おてがみであいましょう』(理論社)amazonで見るがある。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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