• 疲れやすい、気分が落ち込む、眠れないなどの不調を感じたら毎日の食事を見直してみましょう。栄養士の今泉久美さんに健康を支えるタンパク質とカルシウムの効果的なとり方について伺いました。
    (別冊天然生活『心と体が若返る小さな習慣』掲載)

    タンパク質・カルシウムとは

    筋肉と骨づくりを助ける栄養素といえばタンパク質とカルシウム。一日に必要なタンパク質量は卵にすると約8個、カルシウムは牛乳約600mL

    ですが「ひとつの食品ばかり食べつづけると、カロリーや脂肪分の摂りすぎに。多種類の食材をバランスよく食べることが健康の秘訣です」と話すのは、栄養士で料理家の今泉久美さんです。

    たとえば、カルシウムが体内で効率的に働くには、ビタミンDやビタミンKなどが必要だそう。

    「野菜、乳製品、肉、魚、大豆加工品などを同時にとることで、栄養素の吸収率がアップします。3食に分けて、適量をこつこつと食べることが大切です」

    そして、タンパク質とカルシウムが足りていると、メンタル面が安定するといううれしい効果も

    「日々の食事で必要な栄養をしっかりとれていれば、心が落ち着き、生き生きと過ごせてぐっすり眠れます。おいしく食べながら、体を変えていきましょう」

    タンパク質とカルシウムをとるメリット

    ◾️疲れにくい体をつくる

    タンパク質が不足すると体内の筋肉量が落ち、疲れやすくなります。適度なタンパク質の摂取と運動によって基礎代謝が上がり、血流もよくなって冷え性の予防にも。コリや慢性疲労も緩和されます。

    ◾️丈夫な骨と歯をつくる

    閉経後の女性は骨の中のカルシウムを保持するエストロゲンが減少し、骨密度が下がります。これが骨粗鬆症、体のゆがみや歯のトラブルの原因に。予防にはカルシウムとビタミンDを一緒にとることが大切です。

    ◾️肌・髪・爪のダメージを防ぐ

    成人女性の体の50~55%は水分。それ以外はほぼタンパク質と脂質です。皮膚や爪、髪も主成分はタンパク質。動物性タンパク質にはアミノ酸、大豆類にはイソフラボンが豊富。バランスよく食べましょう。

    ◾️心のバランスを整える

    心のゆらぎを感じたら食事の見直しを。乳製品や大豆に含まれるタンパク質をしっかりとることで、脳内に心地よさを伝えるセロトニンという物質が増え、気持ちの落ち込みを防ぎます。適度な日光浴も有効です。

    1日にとりたい目安の量

    画像: 1日にとりたい目安の量

    ※タンパク質は18歳以上の女性、カルシウムは15~74歳の女性の摂取推奨量。

    効率よくとれる食材

    画像: 効率よくとれる食材

    【大豆製品】高野豆腐、豆腐、厚揚げ、納豆

    【魚類】さば水煮缶

    【乳製品】チーズ、ヨーグルト、牛乳



    <撮影/山川修一 スタイリング/竹内万貴 取材・文/河合知子>

    今泉久美(いまいずみ・くみ)
    野菜たっぷりで体にやさしく彩り豊かな料理が人気。著書に『いくつになっても「骨」は育つ!』『「豆」を食べる習慣が体を守る!』(ともに文化出版局)など。

    ※記事中の情報は、別冊天然生活『心と体が若返る小さな習慣』掲載時のものです

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