教えてくれる人 精神科医Tomyさん
あなたの、一番大事って何かしら?
迷っていたら、私の診察室にいらっしゃい。
私のなかの“一番大事”の見つけ方
「一番大事なことを決めるのが難しいのは、矛盾があるからなんです」
Tomy 先生いわく、一番大事に強くこだわるほど、さまざまな悩みが生まれるのだそう。そして悩みを手放したいというのは、こだわりたくないということ。
つまり、一番大事を見つけたいと強く願ったそのときから、こだわりたい、でもこだわるのは嫌、という矛盾のなかで、堂々めぐりが始まってしまうのです。
では、一番大事なことを決めて実現するのは、不可能なのでしょうか。
いいえ、ご安心あれ。Tomy 先生の魔法の言葉が、さまざまな悩みを治めてくれるでしょう。
そして、その先に、本当に大事なことへの気づきが訪れるかもしれません。
Tomy先生、教えて。人生お悩み相談室
お悩み1
自分が思い描いた理想どおりにいかず、ついイライラしてしまうんです。
執着してしまっている理想なら、手放したほうがいいのよ。「そんな簡単に手放せない!」と思ったら、それを失ってしまった自分を想像してみて。案外、なくても生きていけるんじゃない?
「ああなってほしい」とか「こうなればいいな」とか、生きていれば理想を描くのは当たり前のことよね。がんばり屋さんは、一生懸命、努力もする。そして努力すればするほど、その理想に執着してしまうんです。
だけど、その理想を手に入れたら、今度はそれを失うのではないかと不安になってしまうの。だから執着は手放してしまったほうがいいのよ。
「そんな簡単に手放せない!」と思ったら、それを失ってしまった自分を想像してみて。
案外、なくても生きていけるんじゃない? 理想はあってもいい。でも「なくなってもなんとかなる。なんとかできる」って考えてみてください。
お悩み2
「周りの人は、どう思うかな?」と、つい、気になってしまいます。
「周りの価値観に振り回されないようにしよう」と思うのではなく、「それをやったとき、自分がどう感じるか」を判断基準にしてみてね。
うまくいっていれば満足できるけど、うまくいかなくなったとたんに落ち込んでしまう。自分で決めて実践していたはずなのに、心から満足できない。これは自己肯定感が関係しています。
あるがままの自分を認められず、他人の価値観を自分の価値観に置き換えてしまっているのね。
そんなときは、「周りの価値観に振り回されないようにしよう」と思うのではなく、「それをやったとき、自分がどう感じるか」を判断基準にしてみて。
仕事でも趣味でも、自分が楽しければ続ける。つらいと感じたらやめる。それができれば、それはもう自分の価値観で行動しているってことよ。
〈イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/村山京子〉
※ 『暮らしのまんなか34』(扶桑社)からの一部抜粋記事です
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精神科医Tomy
精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、クリニックに常勤医として勤務。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)がベストセラーに。そのほか、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)『他人を気にしない自分になる』(PHP研究所)『「内向的な人」の幸福戦略』(朝日新聞出版)など著書多数。 X:@PdoctorTomy