お悩み3
これと決めてもすぐに飽きてしまいます。「ぶれない私」でいたいのに……
「飽き性」だって、大切なあなたらしさなのよ。
「飽きる」というのも、実は他人の価値観で判断していることが多いんです。
周りの人たちがやらなくなった、つまり流行が過ぎてしまったから、価値を見いだせなくなってしまった、という具合にね。でも、「飽き性」だってあなたらしさなのよ。
たとえば、常に先端のファッションを取り入れたかったら、飽き性じゃないとできないと思うの。
それに、「ぶれない自分」とか「私らしく」という考え方自体が、流行の価値観なんです。数年もしたら、いまとは全然違う価値観が支持されているかも。だから、ぶれないとか、ぶれちゃうとか、そんなに大きな問題じゃないわ。
お悩み4
「よりよいものを選んだ自分でいたい」と思ってしまう見栄っ張りの私……
勝ち負けを判断基準にしてしまうと、きりがないわよ。
よく「勝ち組」「負け組」という言い方をするけれど、勝ち負けを判断基準にしてしまうと、きりがないんですよね。
自分の学歴や職業、パートナー、子どもの学校、住まい、ファッション……。この世にダメな生き方というのは存在しないから、「大事なことを見つけたら、その分野で勝ち組になりたい!」とがんばる人がいてもいいとは思うけど、いったいどこまでいけば満足なのかしら。
だって、どこまでいったって上には上がいるのよ。頂点まで登りつめた! と思っても、歴史上の人物と比べたら、ね(笑)。
そう思うと、勝ち組って本当に存在するのかも疑問よね。
お悩み5
「一番大事」を決めるために、いまできることはありますか?
日記をつけることね。
大昔からいろいろな人が実践しているし、私も以前からおすすめしてる方法。それは、日記をつけることです。
日にち、起こった出来事、それに対して感じたこと、感じた理由を書き留めておくの。箇条書きでもいいのよ。
それをとっておいて、ときどき見返してみましょう。
自分で目指したことをがんばってかなえられた、ということもあれば、自分が考えたことなのに意外とあっさり変わっているということもあります。
「こんなふうに思い込んでいたけど、いまはずいぶん違っている。だからいまの目標に固執しなくていいんだ」ということに気づくだけでもOKなのよ。
〈イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/村山京子〉
※ 『暮らしのまんなか34』(扶桑社)からの一部抜粋記事です
* * *
精神科医Tomy
精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、クリニックに常勤医として勤務。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)がベストセラーに。そのほか、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)『他人を気にしない自分になる』(PHP研究所)『「内向的な人」の幸福戦略』(朝日新聞出版)など著書多数。 X:@PdoctorTomy