(『天然生活』2021年2月号掲載)
冬の体を整える、アーユルヴェーダの「ドライマッサージ」
インド発祥の伝統医療「アーユルヴェーダ」では、人の体質は、‟ドーシャ”と呼ばれる3つのタイプに分けられます。
ヴァータ(火)の人は12~1月(初冬)に、カファ(水)の人は2~3月(晩冬)に体調を崩しやすくなるのだそう。
アーユルヴェーダカウンセラーの池田早紀さんに、晩冬の不調に効果的な「ドライマッサージ」の方法を教えていただきました。
▼あなたはどのタイプ? 冬の体調チェックリストはこちら
脂肪がつきやすい部分を重点的に
絹手袋で皮膚を軽やかにこすってマッサージ
お正月が明けるとカファ体質の人は、食べすぎや寒さによる引きこもりなどが原因で、何となく体が重くなり、動くのがおっくうになりがち。
そういう人には、絹手袋を使ったドライマッサージ「ガルシャナ」がおすすめ。
日本でもおなじみの乾布摩擦のように、乾いた布で皮膚表面を細めにこすることによって、ヴァータ(風)の要素を体に与える方法です。
「カファはおなかやお尻、太ももなど、体の末端ではなく、中心に集まりがち。脂肪はカファに属しますので、脂肪が付きやすい部分に重点的に刺激を与えましょう。
体毛を逆なでするように、毛流れと逆方向にこするのがポイント。体の代謝が落ちている部分を、活性化させるようなイメージです」
おなか、お尻、太ももを順番に、両手を使って、あまり強くこすりすぎず軽やかに。
がんばって10分、20分続けると運動性も加わり、カファ体質特有の不調がぐっと改善されます。
「ヴァータだから悪い、カファだから悪いというわけではなく、あくまで体の傾向です。
オイルだけでいい人、ガルシャナだけでいい人、両方したほうがいい人と、体質も人それぞれ。
冬特有の風・水の乱れと、それらを補う方法を頭に入れておくと、日々の養生もぐっとイメージしやすいと思います」
こんな人におすすめ
年末年始に食べすぎて体が重く、家でゴロゴロしていたい人に
忘年会や新年会続きで食べすぎたせいか、年明けから3月くらいまでずっと、「何だか体が重いな」「動きたくないな」と感じ、重たいコートが苦痛で、心もどんよりとして動かない。
体に寒さがたまるような感じがして、ずっと調子が悪い。そんなカファ体質の人向け。
乾いた布でサッサッと手早く体をさすり、風の要素を体に送り込むようなイメージです。
肌のアミノ酸と近い成分を持つシルク素材の手袋は、肌への負担が少なくておすすめ。絹製のボディタオルなどでもOK。
池田さんおすすめは、「日本アーユルヴェーダ研究所」のグローブ。マッサージ後にオイルでケアすると、肌もつるつるに。
〈監修/池田早紀 取材・文/田中のり子 イラスト/須山奈津希〉
池田早紀(いけだ・さき)
アーユルヴェーダカウンセラー、セラピスト。東京・世田谷の「Atelier Asha105」にて、完全予約制のトリートメントを行う。
http://ayurveda-foryourlife.com
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです