• 日本の伝統食や、薬膳への造詣が深い、料理家の荒木典子さん。二十四節気ごとに体の調子をゆるやかにととのえてくれる養生スープを紹介していただきます。今回は「小寒」の時季に食べたい、牛肉と大根のスープのレシピです。

    <小寒(1月5日〜1月19日)>

    小寒から寒の入りです。ここから大寒、立春までの1カ月間は「寒中」として一番寒い時季です。

    この時季の養生としては、体を内からも外からも温めることと、お正月明けの疲れた胃を休めるようにすることが大切です。

    体を温める牛肉や羊肉、根菜などや、寒くなると腎の機能が弱くなりますので、レバーなどの血を増やす食材や黒ごま、黒きくらげなどの黒い食材をとると良いです。

    でも胃が疲れているときは、たくさん食べないこと。消化の良い温かいスープなどで軽い食事を心がけましょう。

    牛肉と大根のスープをご紹介します。

    時間はかかるレシピですが、牛肉から出たスープで体が温まり、やさしく体を整えてくれる滋味深いスープです。

    コトコト煮ておくだけですので、時間のあるときにつくっておくといいスープです。

    この時季や、疲れたときなどに召し上がってください。

    牛肉は気と血を補い疲労を癒してくれます。大根は消化を助けて胃腸の気の流れをよくします。しょうがは体を温めてくれて、風邪気味のときに風邪を吹き飛ばしてくれます。こしょうはお腹を温めます。

    「牛肉と大根のスープ」のつくり方

    画像: 「牛肉と大根のスープ」のつくり方

    材料(2人分)

    画像: 材料(2人分)
    ● 牛煮込み用肉(牛すじ、もも肉、肩肉など)250g
    ● 大根1/4本
    ● しょうがひと片
    ● 昆布10cm角
    ● 水1L
    ● 塩、こしょう各適量

    つくり方

     大根は大きめに切り、しょうがは薄切りにする。牛肉は塊なら大きめに切って塩小さじ1をすり込んで5分ほどおく。

    画像: 大根としょうがは大きめに切る

    大根としょうがは大きめに切る

    画像: 牛肉に塩をすり込む

    牛肉に塩をすり込む

     鍋に昆布と水を入れて火にかける。沸騰したらの牛肉としょうがを入れて強火にする。アクが出てきたら取り除いて、ふたをして弱火にして30分ほど煮込む。

    画像: 牛肉を入れる

    牛肉を入れる

    画像: アクをとる

    アクをとる

    画像: ふたをして弱火で30分煮込む

    ふたをして弱火で30分煮込む

     大根を加えて、ふたをしてさらに弱火で15〜20分煮る。

    画像: 大根を加える

    大根を加える

     味をみて、薄ければ塩を加えて、器に注いで黒こしょうをかける。

    画像: 器に盛り、最後に黒こしょうをかける

    器に盛り、最後に黒こしょうをかける



    荒木 典子(あらき・のりこ)
    料理家。国際中医薬膳師。青果卸を営んでいた料理上手の祖母と、母の影響で食に関心のある環境で育つ。神戸女学院大学文学部を卒業してフランスへ留学し、帰国後調理師学校にて料理の基礎を学び、調理師免許を取得。その後、上京して料理本の編集者として働いたのち、2007年に料理家として独立。
    現在は書籍やテレビの仕事を中心に、企業へのレシピ提供、料理店の監修などの仕事とともに、和食のお料理教室を主催。季節のていねいでシンプルな料理をモットーに、家庭でできる日本料理と洋食などレシピを提案する。また、おせち料理をライフワークとし、ほかにお雑煮の会を主催。著書に『いちばんくわしい 基本のおせち料理』『炊き込みごはん』(ともに成美堂出版)などがある。
    インスタグラム:@aranoric

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    『いちばんくわしい 基本のおせち料理』(荒木典子・著/成美堂出版)

    『いちばんくわしい 基本のおせち料理』(荒木典子・著/成美堂出版)

    画像: 牛肉と大根のスープ|暦と体に寄り添う、旬の養生スープ/荒木典子

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