(『天然生活』2024年2月号掲載)
実はいろいろある「肥満」の原因
肥満とは体重が標準より多いこと、もしくは体重における体脂肪の割合=体脂肪率が高いことをいいます。
昔からよく知られているのは体重と身長から算出される肥満度指数、BMI(ボディ・マス・インデックス)。日本人は、これが25を超えると肥満とされています。
最近では、体重が標準でも体脂肪率が高い状態のことを「隠れ肥満」と呼ぶようになりました。
体重は変わらないのに前より疲れやすくなったという場合、筋肉が落ちて脂肪の割合が多くなっているのかもしれません。
ちなみに女性ホルモンのエストロゲンには代謝を促す働きがあるのですが、閉経前後はエストロゲンが大きく減少するため、太りやすくなります。

肥満の原因が食べすぎと運動不足ということは、だれでも容易に想像できると思います。もちろん、これは間違いではありません。
ですが、最近ではそれだけではないことも指摘されています。
鍵となるのはインスリンというホルモン。
体内には脂肪細胞というものがあり、すぐにエネルギーとして使われない糖分は脂肪に変換され、この細胞にためられます。
これを促進するホルモンがインスリンです。
ですからインスリンが過剰に分泌されると、その分脂肪をため込みやすくなり、これが肥満へとつながるのです。
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〈取材・文/嶌 陽子 イラスト/はまだなぎさ〉
本間真二郎(ほんま・しんじろう)
小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。2009年より栃木県那須烏山市の「七合診療所」所長として地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践中。著書に『新型コロナ ワクチンよりも大切なこと』(講談社ビーシー)など。2児の父。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです