自然に沿った生活を実践している医師・本間真二郎先生に、「肥満」の原因と予防法について聞きました。原因として語られることの多い「食べすぎ」や「運動不足」のほかにも、実はいろいろあるのだそう。
(『天然生活』2024年2月号掲載)
(『天然生活』2024年2月号掲載)
体の仕組みから考える
“ダイエット”が成功しづらい理由
また、肥満自体がさらなる肥満を呼ぶという側面もあります。
人間は地球に誕生以来、長らく飢餓の状態にありました。
そのなかで生き延びるために、体はできるだけエネルギーを蓄えようとする仕組みをつくりました。
つまり体が太ると、その状態を維持しようとしてさらに食欲がわいたり、倦怠感が生じて運動量が減るといった生理的な反応が起きるのです。
ダイエットがなかなか成功しづらいのにはこうした背景があるといえるでしょう。
ちなみにBMIと死亡率の関係を見てみると、面白いことに25〜27の人が最も死亡率が低いのです。
肥満とされるのは25以上。つまり、寿命の点から考えると少しだけふくよかなほうが、体にとっては都合がいいというわけですね。
とはいえ、過度な肥満は高血圧、動脈硬化、糖尿病をはじめ、あらゆる病気を引き起こす要因となりますし、一度肥満になるとそれがさらなる肥満を呼ぶという悪循環に。
ですから避けたほうがいいのですが、問題はどのような方法をとるかということです。
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〈取材・文/嶌 陽子 イラスト/はまだなぎさ〉
本間真二郎(ほんま・しんじろう)
小児科医・微生物学者。2001年より3年間、アメリカにてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。2009年より栃木県那須烏山市の「七合診療所」所長として地域医療に従事しながら、自然に沿った暮らしを実践中。著書に『新型コロナ ワクチンよりも大切なこと』(講談社ビーシー)など。2児の父。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです