ご近所さんと地域との結びつきを大切に

安否確認の第一歩はご近所さんです。
この頃は、近所づき合いがだんだんなくなりつつありますが、お隣同士、「おはよう」「元気?」などと声をかけ合っているだけでも、普段と変わったことがあれば気づくことができ、「孤独死」を防ぐ手立てになるでしょう。
ご近所から少し範囲を広げてみれば、地域にも助け合いの仕組みがあります。
私は、シルバー人材センターに週に2回の食事づくりを頼んでいますが、こうした地域の労働力を活用することも、地域での結びつきを深めます。
「遠くの親戚より近くの他人」とは、よくいったもの。家族のいない高齢者は、地域の助け合いがなければ生きていけないのです。
夫が存命の人なら少なからず会話があります。しかし、「おひとりさま」になれば話す相手もおらず、人恋しくなります。
顔見知り程度でもいたほうがいい。いるといないとでは、寂しさが違うのです。
さまざまな形の人間関係をもっていることは、生きていくうえで欠かせないこと。
だからこそ、出会いと楽しみを求めて外に出かけましょう、といいたいのです。
※ 本記事は『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』(清流出版)からの抜粋です。
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経験、実感、調査データからひも解く、ヨタヘロ期のココロエ。
わたくし92歳。ムリせず、楽しく、少しがんばって、暮らしています。
【目次】
はじめに 幸せな「老い」を生ききるために
第1章 人生一〇〇年時代の「老い」とは
第2章 老いに必要な、ライフスタイルを身につける
第3章 健康管理・危機管理は人の手も借りて万全に
第4章 自分の気持ちを大切にする人生の終い方
第5章 この先も人生の主人公。前向きに生きるには
おわりにかえて 私のターニングポイントと、力を注いできたこと

樋口恵子(ひぐち・けいこ)
1932年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社を経て、評論活動に入る。政府の男女共同参画会議の委員などを歴任。介護保険制度創設に尽力するなど、女性や介護、高齢者問題に深くかかわり、執筆や講演などに力を注ぐ。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」前理事長(現在は名誉理事長)。著書に『老いの福袋 あっぱれ!ころばぬ先の知恵88』『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(ともに中央公論新社)など多数。