‟もしも”に備え、つねに見守ってもらえる体制づくりを
誰しも「高齢になっても元気なうちは自宅で過ごしたい」と思うものです。
しかし問題は、自分では普通に動けるつもりでも、体はガタがきているということ。
ひとり暮らしの場合は、それが大きなリスクになります。
家の中で転落した時、這い上がるだけの余力が残っていればいいのですが、もし気絶したらどうなるでしょう。
なかなか発見されず、救急車が来るのも遅くなります。へたをすれば、頭に何かが落ちてきて死んでしまうかもしれません。
何がいいたいのかというと、ある程度の年齢になったら、つねに安否確認をしてもらえる体制を整えておく必要があるということ。
脳梗塞などで急に倒れても、発見が早ければ病院に搬送されて、一命を取りとめることができるかもしれないからです。
※ 本記事は『老いてもヒグチ。転ばぬ先の幸せのヒント』(清流出版)からの抜粋です。
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経験、実感、調査データからひも解く、ヨタヘロ期のココロエ。
わたくし92歳。ムリせず、楽しく、少しがんばって、暮らしています。
【目次】
はじめに 幸せな「老い」を生ききるために
第1章 人生一〇〇年時代の「老い」とは
第2章 老いに必要な、ライフスタイルを身につける
第3章 健康管理・危機管理は人の手も借りて万全に
第4章 自分の気持ちを大切にする人生の終い方
第5章 この先も人生の主人公。前向きに生きるには
おわりにかえて 私のターニングポイントと、力を注いできたこと
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樋口恵子(ひぐち・けいこ)
1932年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。時事通信社、学習研究社、キヤノン株式会社を経て、評論活動に入る。政府の男女共同参画会議の委員などを歴任。介護保険制度創設に尽力するなど、女性や介護、高齢者問題に深くかかわり、執筆や講演などに力を注ぐ。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」前理事長(現在は名誉理事長)。著書に『老いの福袋 あっぱれ!ころばぬ先の知恵88』『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(ともに中央公論新社)など多数。