夫 秀光さん
1955年生まれ
北海道出身。農家の3代目で、1999年に5戸10人の仲間で農事組合法人を立ち上げ、定年延長して68歳で退職するまで農家として働いた。東京に移住してからは、家庭菜園で様々な野菜づくりを楽しんでいる。DIYも得意
妻 久子さん
1953年生まれ
北海道出身。夫・秀光さんとともに農事組合法人に参加。「ずっと農家だったから、最期まで農家だと思っていた」そう。二世帯住宅で義母が料理上手だったため料理はほとんどしたことがなく、様々なレシピに挑戦中
次女 絢子さん
1984年生まれ
北海道出身。大学卒業後、就職のため上京。結婚後、世田谷区内の社宅に住んでいたが「緑が多い場所で子育てをしたい」と、2021年に八王子に引っ越し。テラスハウスをリノベーションし、夫と6歳の長女と暮らしている
きっかけ
次女の提案で元気なうちに動くことに

農家の3代目として北海道で農業を営んでいた天井さん夫妻が、東京に住む次女との近居を考え始めたのは、60歳前後だった10年以上前のこと。
当時、夫妻は32年前に建てた夫の両親との二世帯住宅で暮らしていました。両親が亡くなり、上京したふたりの娘はそれぞれ東京で生活していたので、夫婦ふたりきりの生活でした。
「あるとき、帰省していた娘たちから、『結婚して、子どもが大きくなってくると、北海道に帰ってくる回数は減ると思う』と言われ、ショックを受けました」と久子さん。
一方、次女の絢子さんは、両親が住む家はいちばん近い大きな病院まで車で2時間以上かかるため、農家として元気に働いているとはいえ、ふたりだけで暮らしていることが心配だったと言います。
「何かあってもすぐに駆けつけられないので、せめて病院が近いところに引っ越すか、私たちの家の近くに来てほしい」と伝えたそう。
北海道で生まれ育ち、ずっと農家として暮らしてきたため、東京で暮らす人生など思いもよらなかったという夫妻でしたが、それならいっそのこと娘の近くで暮らそうか......、と考えるようになったそうです。

「娘が『こっちに来ない?』」と言ってくれたのがきっかけ。人生は何が起こるか本当に分からない」と、移住について話す天井さん夫妻。ダイニングの壁に飾られたイラストは、絵の上手な絢子さんが描いたもの
その後、秀光さんが除雪作業の際に屋根から落ちてケガをしたり、心臓の病気が見つかって手術をしたことなどもあり、夫妻の気持ちは固まっていきました。

一般的に農家は自営業だが、天井さん夫妻は経営を安定化させるために仲間と法人化。トラクターなどは共同で購入した。農家をやめるときも、畑は会社に買い取ってもらうことができた

北海道の家の近くでは、キタキツネも見られたそう。「朝4時過ぎに起きて、みんなが出勤する前にトラクターで街中の除雪を担当していました。東京は、あまり雪が降らないのでラクですね」と秀光さん
「娘も来いと言ってくれているし、動けなくなってからでは遅いので、元気なうちに行ってみよう、ということになりました」(秀光さん)
※ 本記事は『relife+ vol.51』(扶桑社)からの抜粋です。
<撮影/星 亘(扶桑社) 取材・文/松浦美紀 取材協力/EcoDeco>
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