• 桃花源」オーナー・伊藤千桃さんの、気持ちのいい朝を迎えるための「朝の時間割」を拝見します。朝の家事は10分単位で区切ってこなすなど、はつらつと動く伊藤さん。家事のアイデアがひらめいたら形にしてみて、手づくりのある暮らしを楽しんでいます。
    (『天然生活』2020年5月号掲載)

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    毎朝4時半から体を動かし、家事のひらめきは即実行

    伊藤さんの朝は、愛猫・ニャーと愛犬・ブリちゃんの世話から始まります。

    「毎朝、4時半に起こされるんです。2匹の世話をしたら、まずは、家じゅうのタオルをかき集めるの。汚れものが、洗濯かごに残っているのがなんか嫌で。それに、朝から動いていると、やりたいことが次々と思いつくんです」

    毎日を心地よく過ごすために、家事もはつらつと行うことが、伊藤さんのこだわりです。

    伊藤さんの「朝の時間割」

    04:30 起床。洗濯機のスイッチを入れる。愛犬・ブリちゃんと愛猫・ニャーの世話。身支度
    06:00 掃除・洗濯。家の中のあれこれ
    07:30 お孫さんの通学の見送り
    08:00 朝ごはんの支度とつくり置きのチェック
    08:30 朝ごはん
    09:00 自分と家のあれこれ
    10:00 ティータイム
    10:30 庭いじり

    04:30愛猫と愛犬の世話

    「私の1日は、20歳を超える老猫・ニャーに顔をなめられて始まります。生活リズムが整っているのは、この子たちのおかげ。いやしでもあり、目覚ましでもあります」

    フレンチブルドックのブリちゃんは、元繁殖犬。

    衰弱した状態で保護され、いまでは伊藤さんについて駆けまわるほど元気になりました。

    画像: ブリちゃんにも朝ごはん。トイレを掃除しつつ健康チェック

    ブリちゃんにも朝ごはん。トイレを掃除しつつ健康チェック

    04:45おしゃれの身支度

    動物の世話が終わったら、自分の身支度。

    「私の場合、朝のやる気のスイッチをオンにするのは、おしゃれ。だから、家でもお気に入りのビアスを着けています。いつ人が来ても恥ずかしくないし、出かけるのも面倒でなくなります」

    庭仕事の際に虫よけと日焼け防止に巻くスカーフもニットとコーディネート。

    画像: メキシコで見つけた30年選手。おしゃれで気分アップ

    メキシコで見つけた30年選手。おしゃれで気分アップ

    06:00ひらめきは即実行

    はたきが壊れたら庭の黒竹でつくったり、庭で夏みかんが採れたら皮の煮汁で床を磨いたり、家事は思いついたら即実行。

    黒竹の先に巻き付けているのは、着なくなった正絹の襦袢を裂いた端切れ。

    「はたきは使いやすいよう試行錯誤して、いまの形になりました。なんでもやってみたくなる性分なんです」

    画像: 庭の黒竹と古い襦袢ではたきづくり。創意工夫を楽しむ

    庭の黒竹と古い襦袢ではたきづくり。創意工夫を楽しむ

    06:30玄関の掃除

    「朝早いうちに玄関をきれいにしておかないと、気持ちがすっきりしないんです。天井にはたきをかけ、土間をほうきで掃いていると、そろそろ節句の飾りを出そう、などと、思いつきます」

    いま置いている靴箱は、着物を入れていた古い桐の和簞笥。

    捨てるつもりだったが、靴箱にちょうどいいことに気づいたそう。

    画像: 玄関をきれいにしておけば、いつ人がきても安心

    玄関をきれいにしておけば、いつ人がきても安心

    08:00つくりおきで朝ごはん

    「桃花源」を切り盛りし、ふたりの子どもを育て上げた伊藤さんにとって、料理はお手のもの。

    朝のつくりおきには、長年、家族の健康を守ってきた野草や山菜を使った滋味深い旬の味覚が満載です。

    「朝は味噌や佃煮とごはんの残りでおにぎりを。スイーツも一緒につくって小腹がすいたときの自分へのご褒美に」

    画像: この日は3種類のおにぎりと手づくりのプリンを準備

    この日は3種類のおにぎりと手づくりのプリンを準備

    画像: 左からきゃらぶき、梅酢を使った紅しょうが、ふきのとう味噌

    左からきゃらぶき、梅酢を使った紅しょうが、ふきのとう味噌

    画像: 気分で味が変わる気まぐれプリン

    気分で味が変わる気まぐれプリン

    09:00ちょこちょこ掃除

    たまると掃除がどんどん大変になるほこりは、目についたところを10分ずつちょこちょこ拭き。

    「繊細な人形やインテリアなどは、軍手を雑巾代わりにして、撫でるように拭いています。少しずつキレイにしておけばあとが楽ですし、ついでに飾る場所を変えたくなって、模様替えに発展することもあります」

    画像: インドネシアのお人形。軍手でやさしく撫でるように

    インドネシアのお人形。軍手でやさしく撫でるように

    10:00ティータイムで頭をリセット

    家の用事が終わったら、お庭の時間。

    春から初夏へは季節のめぐりが早いので、庭仕事は尽きません。

    「ずっと動き続けていると、やることが雑になるので、10時ぐらいにいったん休憩。クローブなどのスパイスをすり鉢ですって淹れたチャイの香りを楽しみながら、庭をぼーっと眺め、何から手をつけるか考えます」

    画像: しょうが、シナモン、クローブ、カルダモンのお手製チャイ

    しょうが、シナモン、クローブ、カルダモンのお手製チャイ

    10:30庭いじり

    庭仕事は、雑草との戦い。10分ほどの作業でも、いい運動に。

    草や落ち葉、剪定した小枝はまとめて釡で燃やし、灰は裏庭のコンポストの堆肥と合わせて庭木の肥料に。

    「一切むだなく、めぐらせて、自然の実りをいただいています。剪定した木も枝ぶりがかわいかったら玄関やお部屋に飾って、枯れるまで楽しんでいます」

    画像: 金柑を収穫中の伊藤さん。自然の実りに感謝して

    金柑を収穫中の伊藤さん。自然の実りに感謝して

    画像: “自然のめぐり”を意識した、むだのない暮らし

    “自然のめぐり”を意識した、むだのない暮らし

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    〈撮影/大沼ショージ 取材・文/坂口みずき〉

    伊藤千桃(いとう・ちもも)
    1972年度ミス日本、元女優。子育てのために神奈川・葉山に移り、離婚後、宅配レストラン「桃花源」を営む。著書は『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)。



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