初対面でも勇気をもって「好き」を伝える
初めて会った相手に、「こんなにもあなたのことをいっぱい調べてきました」と伝えるのは怖いかもしれませんが、それでも勇気を出して伝えたほうがいいのです。
誰でも、自分を好きと言ってくれる相手に、悪い感情は持ちません。その第一印象が、短い時間でも心を開いて話そうとする姿勢を引き出します。
コミュニケーションは、いわば人と人とのエネルギー交換。まずはこちらから差し出すエネルギーが強ければ、返ってくるエネルギーも強くなる。逆もまた然りです。
そのエネルギーが宿るのが言葉であり、だから仕事でもプライベートでも、この人とはよい関係を持ちたいと思う相手には、まずポジティブな言葉を届けるのです。
さらに、最近わたしがお会いする方からエネルギーを感じるのは、目。その人の内面がそのまま現れ、オーラとなって見える気がします。
好奇心でいっぱいの子どもの目がキラキラしているように、大人でも、相手にどれくらい興味関心を抱いているか、話したいと思っているかは、目の輝きの強さに表れる。
わが家のワークショップにお越しくださる方の目はみなさんキラキラ輝いているし、先述の「わたしにどれくらい興味を持って取材に来てくれたのか」も、相手の目の力でわかります。
目には、好奇心だけでなく、体調も表れます。寝不足なら目が充血するし、お酒が体内で分解されきっていないと濁った目になります。そう考えると、コミュニケーション能力には、健康状態も、意外と関わっているのかもしれません。
本記事は『伝え上手になりたい』(扶桑社)からの抜粋です
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note、Voicy、インスタグラムで人気のエッセイストが綴る、人間関係をスムーズにする気持ちの伝え方
仕事、子育て、夫婦、SNS……。私たちは日々の暮らしのあらゆるシーンで、相手に自分の意見や気持ちを伝えています。しかし、「自分は伝えるのが上手だ」と言える人はあまりいないのではないでしょうか。
数多くの暮らしにまつわる著作があり、note、Voicy、インスタグラムなどでも女性を中心に熱い支持を得ているエッセイストの著者が、これまでの半生を経て身につけてきた伝え方のコツを1冊にまとめました。読めば、自分も相手も気持ちよく暮らすための処方箋になることでしょう。
小川奈緒(おがわなお)
エッセイスト。1972年生まれ、千葉県出身。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業後、出版社勤務を経て、2001年よりフリーランスに。ファッション誌のエディター&ライターとして活動したのち、現在は著作やnoteをメインに執筆を行っている。また、音声プラットフォームVoicyで「家が好きになるラジオ」のパーソナリティーを務めるほか、イベントやワークショップ、講演など幅広く活動中。
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