夏はミニトマト、冬はブロッコリー
ひとつのコンテナで野菜をつくり続ける「リレー栽培」

土の中の微生物に多様性が生まれると、土を入れ替えることなく、野菜づくりが続けられるようになります。
たなかさんの家には10年以上も同じ土で野菜づくりを続けているコンテナがあります。
夏はミニトマト、冬はブロッコリーとリレーしながら栽培を繰り返しています。
リレー栽培といっても難しいことはありません。収穫が終わり、コンテナに空きスペースができたら、そこに「みみずのふん土」を入れて新しい苗を植えつけるだけです。
空いたスペースに別の野菜を植えても、コンテナには他の野菜がまだ残っているので、土の多様性は保たれたまま、新しい苗の微生物もふえてより活動的になります。
万一ひとつの野菜がダメになっても、寄せ植えのおかげで全滅まではしません。寄せ植えのよさを実感しています。

幅44×奥行き44×深さ36cmの木製コンテナ。これくらいの大きさなら数種類の野菜とハーブを組み合わせて育てるリレー栽培が何年も楽しめます
たなかさんのコンテナ、2年間のリレー栽培の記録
2023年春

中玉トマトを中央に配置して、そのまわりにバジル、イタリアンパセリ、タイムなどのハーブを植えつけ。
2023年春

トマトの収穫を終えたらブロッコリーにバトンタッチ。バジルの後はお役立ちのネギと華やかなビオラを植えた。
2024年春

中央にはミニトマトを植えつけ、奥にはトウガラシとバジル、イタリアンパセリを。5月に手前のイタリアンパセリの花が咲いて終了したら、オクラの苗を植える。
2024年秋

ミニトマトの後にはブロッコリーを植えつけ、11月にはエンドウの種をまく。収穫を終えたオクラとバジルの茎を支柱として活用。
〈撮影/田中 淳 取材・文/松崎みどり、鎌田幸世〉
本記事は『ベランダで愉しむ小さな寄せ植え菜園』(山と溪谷社)からの抜粋です
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ベランダ菜園のパイオニア、ガーデニングクリエイター&イラストレーターのたなかやすこさんが、コンテナ1つからはじめられるベランダ菜園の愉しみ方を紹介します。
たなかさんの野菜づくりは、野菜を花やハーブと一緒に寄せ植えして育てるのが特徴。そして、土は捨てずに使い続けることができます。
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たなか やすこ
ガーデニングクリエイター&イラストレーター。
ベランダガーデナーの先駆けとして、30年以上メディアや講演会等で活躍。自宅ベランダの小さな菜園から、自然と暮らしをつなげる発信を続けている。ホームセンターマガジン『Pacoma』で、「小さなお庭のDiary」連載。『ベランダ寄せ植え菜園』(誠文堂新光社)など著書多数。
https://www.greengloves.jp/
天然生活2025年5月号でも、たなかやすこさんの記事を掲載しています。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。