「中華せいろ」の基本の知識

素材
ヒノキやスギなどの針葉樹、竹のものもある。「香りが良いので竹が一番!」と竹を愛用する人も多い。
こんな料理に合う
ふたと身が同じ深さなので、ふたを開けた時に身の方から料理がしっかり見えるのが醍醐味。そのまま食卓にも出せる、と人気。
フォルム
ふたは深く竹で編んだもので、身と同じ深さ。底は取り外しができない。蒸し板は別売り(鍋にそのまま置く場合もあるが焦げる可能性がある)。わっぱが一重のものと、内と外にわっぱを二重にかけ、間が空洞になったものもある。
お手入れ
洗剤を使わずにシュロタワシでゴシゴシ洗う。その後、振ってみて中に水が溜まっているなら、真水で空蒸しし、しっかり熱気を飛ばして乾燥を確認してからしまう。戸棚にはしまわず、風通しの良い、目に見える場所に置いておくと、使う機会も増えるはず。
やってはいけないこと
●電子レンジ ●食洗機 ●水気を残す ●つけおき ●食材の放置 ●急冷
本記事は『台所道具の選び方、使い方、繕い方』(グラフィック社)からの抜粋です
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〈撮影/吉崎貴幸 撮影協力 モノ・モノ〉
台所道具、困ったときのお手入れバイブル
よい器や道具に対する消費者の意識が高まる昨今、長持ちさせるための手入れのハウツーが求められています。ひとり問屋として、長年あらゆる台所道具を扱ってきた日野明子さんが、プロならではの視点から道具の選び方と正しいメンテナンス術を公開。化学的知識にもとづく、目から鱗のお手入れ本です。
日野 明子(ひの あきこ)
1967年神奈川県生まれ.共立女子大学家政学部生活美術科で、故秋岡芳夫先生の講義を受ける幸運を得る。就職した松屋商事株式会社で、北欧と日本のクラフト品の営業を7年。1998年に会社が解散したことをきっかけに1999年独立。企画卸問屋「スタジオ木瓜」として、ひとり問屋を始める。生活に関わる日本の手仕事の現場を巡り、関連の展示や企画協力、産地へのアドバイス、大学での講義なども行う。著書に『うつわの手帖1(お茶)』『うつわの手帖2(ごはん)』(共にラトルズ)、『台所道具を一生ものにする手入れ術』(誠文堂新光社)ほか、雑誌やウェブマガジンへの寄稿も多数。