(別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』より)
不自由さから生まれた、循環する暮らし
シルバーグレイの髪にキュートな笑顔、シンプルななかにセンスを感じるファッション。
70代を迎えてもなお、自分らしくたおやかに生きる坂井より子さんのライフスタイルは多くの人の憧れです。
そんな坂井さんの日常をひと言で表すなら、「ものの命を大切にして使い切る、長く使いつづける」こと。それが日々の家事をよりシンプルにしています。
「結婚してすぐに引っ越してきた葉山は、いまと違ってお店もなく交通の便も悪い本当の田舎だったんです。
欲しいものがあってもすぐ手に入らない不自由さがあったから、ふだんからあるものでどうにかできないかと工夫するように」と坂井さん。
それはまさに、身近なことから「循環する暮らし」そのものです。

ふとした時間にも繕い物に手を伸ばして、さっと手を動かす。「ただ座ってテレビを見るってことができないの」
〈撮影/林 紘輝 取材・文/工藤千秋〉
坂井より子(さかい・よりこ)
神奈川・葉山での長年の専業主婦歴を生かし、自然体で楽しむ家庭料理や暮らしの知恵を若い世代に伝える。近著に『飾らない。76歳、坂井より子の今をたのしむ生き方』(家の光協会)がある。
◇ ◇ ◇
坂井より子さん、早川ユミさん、服部雄一郎さん・麻子さん、青木美詠子さん、本多さおりさんなど、15人の方々に、自然に寄り添う暮らしの様子を見せていただきました。
共通しているのは、楽しみながら工夫していること。それが、結果的にエコな暮らしにつながっていくような気がします。
自分にも地球もやさしく、心地いい暮らしのヒントを、この本の中に見つけてみてください。
【CONTENTS】
第1章 循環する暮らし/第2章 フードロスを減らす/第3章 お金の使い方を見直す/第4章 掃除・洗濯。道具のお手入れ/ごみを、ごみにしない暮らし方/始めよう、コンポスト生活/プラスチックを減らす生活