• 一年中、旬の仕込みものを楽しんでいるという、薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。1月から12月までその時々に楽しめる発酵食と保存食づくりをご紹介します。5月は旬のそら豆を使った「豆板醤」のつくり方。自家製の豆板醤はそら豆の風味と甘味が感じられ、市販のものとはひと味もふた味も違う別格のおいしさです。
    (『天然生活』2022年2月号掲載)

    5月に楽しむ、発酵食と保存食
    そら豆特有の風味と甘味が感じられる「豆板醤」

    画像: 5月に楽しむ、発酵食と保存食 そら豆特有の風味と甘味が感じられる「豆板醤」

    そら豆をじっくり蒸してすり鉢でつぶし、とうがらしや米麹などの調味料をすり合わせてつくる「豆板醤」。

    熟成発酵させることで長期保存が可能になり、辛みのなかにそら豆特有の風味と甘味を感じられます。

    市販の豆板醤はいつでも手軽に手に入れられますが、手づくりはこの季節だけ。

    つくりやすくアレンジしているものの、手間は少しかかりますし一度に大量にはつくれませんが、売っているものとはひと味もふた味も違う別格のおいしさです。

    マーボー豆腐などの中華味の料理はもちろん、炒めものの隠し味に使うことも。少量入れるだけで奥深い味わいになります。

    「豆板醤」のつくり方

    画像: 「豆板醤」のつくり方

    そら豆はゆでるより蒸したほうが味が凝縮され、甘味も増します。薄皮をむいてていねいにすりつぶして。

    とうがらしは辛味がマイルドな韓国産のものが向きます。日本でつくりやすくアレンジしたレシピ。

    材料(つくりやすい分量)

    ● そら豆(さやから出したもの)200g
    ● 粉とうがらし(*)30g
    ● 太白ごま油(白)適量
    ● 塩40g
    ● 米麹30g

    *できれば韓国産のもの。国産を使う場合は1/3~半分の分量。

    つくり方

     そら豆は15分ほどやわらかく蒸し、薄皮をむく。

     すり鉢(またはフードプロセッサー)ですりつぶし、粉とうがらし、塩、米麹を加えてよくすり合わせる。清潔な保存容器に入れてラップで覆い、そら豆の重量と同じくらいの重しをのせて3カ月ほど寝かせる。

    *保存期間は冷蔵で約1年


    〈監修/山田奈美 イラスト/しらいしののこ 取材・文/結城歩〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    薬膳・発酵料理家。食養研究家。発酵食や薬膳に造詣が深く、神奈川県葉山町で発酵や薬膳の料理教室を開催している。季節の発酵食と保存食づくりについて詳しく紹介している『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)ほか著書多数。夫と小学生の息子の3人暮らし。
    http://tabegoto.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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    『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』(山田奈美・著/扶桑社・刊)

    画像: 旬の“そら豆”でつくる「手づくり豆板醤」は、別格のおいしさ。5月に楽しむ仕込みもの|山田奈美さんの12カ月楽しめる発酵食と保存食

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