(『天然生活』2022年2月号掲載)
5月に楽しむ、発酵食と保存食
そら豆特有の風味と甘味が感じられる「豆板醤」

そら豆をじっくり蒸してすり鉢でつぶし、とうがらしや米麹などの調味料をすり合わせてつくる「豆板醤」。
熟成発酵させることで長期保存が可能になり、辛みのなかにそら豆特有の風味と甘味を感じられます。
市販の豆板醤はいつでも手軽に手に入れられますが、手づくりはこの季節だけ。
つくりやすくアレンジしているものの、手間は少しかかりますし一度に大量にはつくれませんが、売っているものとはひと味もふた味も違う別格のおいしさです。
マーボー豆腐などの中華味の料理はもちろん、炒めものの隠し味に使うことも。少量入れるだけで奥深い味わいになります。
「豆板醤」のつくり方

そら豆はゆでるより蒸したほうが味が凝縮され、甘味も増します。薄皮をむいてていねいにすりつぶして。
とうがらしは辛味がマイルドな韓国産のものが向きます。日本でつくりやすくアレンジしたレシピ。
材料(つくりやすい分量)
● そら豆(さやから出したもの) | 200g |
● 粉とうがらし(*) | 30g |
● 太白ごま油(白) | 適量 |
● 塩 | 40g |
● 米麹 | 30g |
*できれば韓国産のもの。国産を使う場合は1/3~半分の分量。
つくり方
1 そら豆は15分ほどやわらかく蒸し、薄皮をむく。
2 すり鉢(またはフードプロセッサー)ですりつぶし、粉とうがらし、塩、米麹を加えてよくすり合わせる。清潔な保存容器に入れてラップで覆い、そら豆の重量と同じくらいの重しをのせて3カ月ほど寝かせる。
*保存期間は冷蔵で約1年
〈監修/山田奈美 イラスト/しらいしののこ 取材・文/結城歩〉
山田奈美(やまだ・なみ)
薬膳・発酵料理家。食養研究家。発酵食や薬膳に造詣が深く、神奈川県葉山町で発酵や薬膳の料理教室を開催している。季節の発酵食と保存食づくりについて詳しく紹介している『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)ほか著書多数。夫と小学生の息子の3人暮らし。
http://tabegoto.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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