• さまざまなツールが発達し、仕事を「つくる」ことも気軽に。自分らしい仕事を開拓し、生き生きと暮らすイラストレーターで手工芸作家の堀川波さんにお話を伺いました。
    (『天然生活』2024年5月号掲載)

    素人でも簡単に操れるツールが豊富ないまだからこそ

    一緒に働くのは、近所に暮らす今井奈緒さん。堀川さんが主宰した手仕事のワークショップの参加メンバー。

    手先が器用で、仕事がていねいだったことからスカウトしました。

    「もともと波さんのイラストやエッセイのファンで、一緒に働けるなんて楽しそう! と即OKしました」

    堀川さんがデザインしたものを、今井さんが製作。ショップや発送のシステムをつくり、発送作業などの実務も主に今井さんの担当です。

    「波さんはとにかくアイデア力がすごくて、近くで見ていて毎回感動します。主婦だったら経験しなかったHPづくりなど、波さんとの仕事を通してできるようになったことがいっぱいある。自信にもつながりました」と、今井さん。

    画像: ひと針、ひと針ていねいにステッチ。手を動かしながらだと、不思議とコミュニケーションもスムーズになるのだとか

    ひと針、ひと針ていねいにステッチ。手を動かしながらだと、不思議とコミュニケーションもスムーズになるのだとか

    「コロナ禍で、だれも予想しなかった事態が起こることもあると実感しました。イラストの仕事は、基本的には『依頼を待っている』だけですが、オンラインショップの仕事は、自分でどんどん発信していける。仕事は待っているだけではダメと危機感もあったし、収入の柱はいろいろあったほうが安心。死ぬまでずっと仕事をしていたいと思う私にとって、大好きなものづくりをして、人に届けるという仕事は合っていたんです」

    画像: 中に玄米とラベンダーが入った天然エコカイロ。だれかにあげたくなるのが、ブランドが愛される秘密

    中に玄米とラベンダーが入った天然エコカイロ。だれかにあげたくなるのが、ブランドが愛される秘密

    オンラインショップは、デジタルに詳しくなくても簡単に立ち上げられるソフトを活用。宣伝はインスタグラムで。

    特別な知識や技能がなくても、気軽にビジネスを始められるツールがたくさんあり、そんな時代であることが『ドットトゥドット』の活動を後押ししてくれました。

    「自分でお金を出して、自分が責任を持てる範囲で仕事をつくるのが魅力。たとえ失敗をしてもだれに迷惑をかけるわけでもないので気持ちもラクだし、好きなことだけできるのって本当に楽しいですよ」

    その後、刺し子や、ウッドボールをつなげたストラップなど、ヒット商品は続々。同じくワークショップ参加者からスカウトした川村貴子さん、堀川さんの息子・帆風(ほかぜ)君も加わり、いまは4人で運営しています。

    画像: 右から今井さん、川村さん、堀川さん、帆風君。ずっと笑いっぱなしの楽しい現場。大学生の帆風君は「おば友が増えました」と笑う

    右から今井さん、川村さん、堀川さん、帆風君。ずっと笑いっぱなしの楽しい現場。大学生の帆風君は「おば友が増えました」と笑う


    <撮影/山川修一 取材・文/鈴木麻子>

    堀川波(ほりかわ・なみ)
    1971年大阪生まれ。イラストレーター、手工芸作家。おしゃれや、暮らしの工夫などを綴ったイラストエッセイが好評。『刺し子糸で楽しむ刺繍』『籐で作るアクセサリーと小物』(ともに誠文堂新光社)、『手仕事をめぐる大人旅ノート』(大和書房)など著書多数。https://www.dottodot-works.com/、インスタグラム@horikawa._.nami

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.