• さまざまなツールが発達し、仕事を「つくる」ことも気軽に。自分らしい仕事を開拓し、生き生きと暮らすイラストレーターで手工芸作家の堀川波さんにお話を伺いました。
    (『天然生活』2024年5月号掲載)

    収入の柱を分散しよう! とママ友と始めたスモールビジネス

    コロナ禍、始まりの2020年。世界中の人が息をひそめ、活動を停止していたとき、イラストレーターの堀川波さんは多忙を極めていました。

    オンラインショップ『ドットトゥドット(dot to dot)』を立ち上げ、殺到する注文をさばくのにてんやわんやだったのです。

    「きっかけは著書『籐で作るアクセサリーと小物』です。ラタンを編んでアクセサリーをつくろうという提案の本ですが、本の発売に合わせて、作中に登場するアクセサリーをつくって、販売するオンラインショップを始めました」

    画像: 百貨店での催事に向け、鋭意製作中だった刺し子カバー付きバスケット。レザーの持ち手、タッセルなど細部にこだわりが

    百貨店での催事に向け、鋭意製作中だった刺し子カバー付きバスケット。レザーの持ち手、タッセルなど細部にこだわりが

    試しに販売したアクセサリーは瞬く間に完売。続けて、籐編みをしたいけれど、材料が手に入りづらいという読者のために、キットも販売したら、そちらも大好評。

    このとき堀川さんは、自分のデザインや作品を、個人に届ける面白さに目覚めました。始まりは「本の販促」でしたが、オンラインショップを本格的にやってみようと思う出来事が。

    ブランドの大ヒットアイテム、布マスクとマスクケースです。

    「コロナ禍で始まったマスク生活。入手しづらい時期でしたし、自分らしい使い方をしたくて、試行錯誤して布マスクをつくってみました。そして、カバンの中に入れて持ち歩くときや、食事中に外したマスクを入れておくケースも欲しいなと、マスクケースもつくりました」

    リネンやガーゼのナチュラルな布地にリボンを組み合わせたかわいいマスク。家の形をしたマスクケースはとてもかわいく、プレゼントした友人たちにも大評判でした。

    試しにオンラインショップで販売してみると、こちらも即完売。

    布を替えたり、ストラップをつけたり、バージョンを変えながら、どんどんと販売をしていきました。

    自分が「いいな」と思ったものをかたちにして、多くの人に共感してもらえる喜びをダイレクトに感じました。


    <撮影/山川修一 取材・文/鈴木麻子>

    堀川波(ほりかわ・なみ)
    1971年大阪生まれ。イラストレーター、手工芸作家。おしゃれや、暮らしの工夫などを綴ったイラストエッセイが好評。『刺し子糸で楽しむ刺繍』『籐で作るアクセサリーと小物』(ともに誠文堂新光社)、『手仕事をめぐる大人旅ノート』(大和書房)など著書多数。https://www.dottodot-works.com/、インスタグラム@horikawa._.nami

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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