• 家族も自分も無理なく、心地よく暮らせるような整理整頓術を提案しているOURHOMEを主宰するEmiさん。片づけにおいて大切にしていることや、その考えに至った経緯を聞きました。
    (『天然生活』2024年7月号掲載)

    片づけは「変化」を楽しみながら

    幼いころから、暮らしにまつわることが大好きでした。小学生のときから家事やインテリアに関する雑誌などを読んでいたほどです。

    私の母はとても忙しく働いていたので、家の中は散らかった状態になることもあり、それを見て「自分は家庭をもったら絶対に家を整えたい」と、理想のイメージをいつも思い描いていました。

    ところがいざ結婚してみると、夫婦共働きで大忙しの日々。とくに双子を出産してからは毎日てんてこまいでした。

    最初はうまく暮らしを回せない自分を責めてしまっていましたが、当時勤めていたのは暮らしまわりのものを販売する会社。

    さまざまな道具によって暮らしの困りごとを解決していくという仕事を通じて「人を責めずに仕組みを変えればいい」という考えを大切にするようになっていったのです。

    「同じ」はないから、仕組みで寄り添う

    もうひとつ、私にとって大きかったのは双子を育てたことです。同じように育てているのに、ふたりは性格も得意なことも、片づけたいと思うタイミングも違います。

    ふたりを見ていて、全員に同じようなことを求めたり、「なんでできないの」と責めたりしてもけっしてうまくいかない、むしろそれぞれの生まれ持ったものを生かして、自然と片づく仕組みをつくることが大事だと気づきました。

    仕組みは自分で思いつくものもあるし、いいなと思ったものをまねることも。子どもたちが通っていた保育所を見て、引っ掛けるものだと思い込んでいたリュックをかごに入れる仕組みにしたこともあります。

    画像: 「同じ」はないから、仕組みで寄り添う

    もうひとつ大切にしているのは「できない理由ではなく、できる方法を考える」ということ。これは最初に就職した会社の新人研修で上司に教えてもらった言葉です。

    そのほうが人生はずっと豊かになる、と。たとえば整理整頓でいうと「収納が少ないから片づかない」と考えるのではなく、「ものを減らしてみよう」「こんな道具を使ってみよう」など、片づく方法を考えてみる。

    それがうまくいったときの喜びは、とても大きいと思うのです。

    とはいえ、考えた方法がいつもうまくいくとは限りません。しかも、家族の暮らしも時間とともに変わるもの。

    わが家でも最近、子どもたちの靴のサイズが大きくなってきたので、これまでの収納では片づかなくなってきました。そんなときは家族と一緒に話し合って考えます。

    片づけはコミュニケーションのチャンスでもあるのです。そこで出た新しい方法を試してみて、ダメなら変えればいい。その際にまた新たな発見があるかもしれません。



    <取材・文/嶌 陽子 イラスト/清沢佳世>

    画像: 大切にしている、3つのこと

    Emi(えみ)
    「OURHOME」主宰。整理収納アドバイザー。企業との共同開発など多方面で活躍。Voicyにて「暮らす働く“ちょうどいい”ラジオ」配信中。著書に『今日から変わる、わたしの24時間』(大和書房)など。インスタグラム@emi.ourhome

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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