• 明治元年に建てられた古民家に暮らす随筆家山本ふみこさん。ものの肩書きにとらわれない柔軟な発想力で「暮らすこと」を楽しんでいます。今回は、そんな山本さんのお裁縫箱とその中身をご紹介。「愛用の裁縫箱を見せて欲しい」とお願いしたら、なんと箱ではなくお裁縫“引き出し”が登場。

    よく使う裁縫道具を台所横のパントリーの引き出しに

    台所の隣のパントリーに、食器や食材、調理器具だけでなく、日々生活で使うものを収納している山本家。

    その一角にある、レターケースの引き出し1段分が、山本さんの「お裁縫引き出し」です。

    画像1: よく使う裁縫道具を台所横のパントリーの引き出しに

    「パントリーといっても、いつも過ごしている場所に近いから、こまごまとしたよく使うものを置いています。裁縫道具も、引き出しのひとつに入れていて。ちょっとしたお直しに大活躍なんです。ミシンなどの大物は全部納屋に入れてあるの。ここに入れているものは、使用頻度の高いものですね」

    画像2: よく使う裁縫道具を台所横のパントリーの引き出しに

    パントリーには常温保存できる食材や台所用品を、裁縫道具は裁縫箱にと考えがちですが、そんな無意識の思い込みを簡単に覆してくれる、軽やかな山本さんです。

    引き出しは「表札システム」でわかりやすく整理整頓

    レターケースの引き出しは、「Junk(ジャンク)」「irregular(イレギュラー)」など、“名もなきもの”が整理整頓できるようにマスキングテープにペンで書いてラベリング。

    裁縫道具を入れている引き出しには、「Sewing(ソーイング)」のラベルを貼っています。

    画像: 引き出しは「表札システム」でわかりやすく整理整頓

    「トランプでも神経衰弱が苦手。生活用品も、どこに何を入れたか覚えられないの。だからすぐにわかるように『表札システム』にしているんです。どんなものにも居場所をつくって、片づけやすくしています」

    お気に入りは小学5年生から連れ添う「いちごの針山」

    「お裁縫引き出し」のなかをのぞいてみると、ひときわ目を引くのが、かわいらしい真っ赤ないちごの針山。

    「これは小学5年生のときから使っているもの。当時、いちごモチーフが大流行していて! いまでもお気に入りです」

    画像: お気に入りは小学5年生から連れ添う「いちごの針山」

    ものとのつきあい方について「人間と同じだよね。いつの間にかお互いに歳をとって、気づいたら長年連れ添っちゃって。だから、たとえ数百円の安いものでも、購入する前に自分との相性を考えます」と話す山本さん。

    相性のよいいちごの針山は、長年連れ添ってもなお現役で、山本さんの手づくり時間をサポートしてくれています。



    〈撮影/有賀 傑 取材・文/飯作紫乃〉

    山本ふみこ(やまもと・ふみこ)
    随筆家。「ふみ虫舎エッセイ講座」主宰。+農業。著書に『あさってより先は、見ない』(清流出版)など。SpotifyとApple podcastにて「うんたったラジオ」を配信。https://www.fumimushi.com



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