• 本当に好きなもの、必要なものだけに囲まれて暮らす、フランス人作家のドミニック・ローホーさん。無理をせず、楽しんで節約をするための心構えやアイデアを教えてもらいました。
    (『天然生活』2024年7月号掲載)

    歳を重ねて節約上手に

    実は私は、いわゆる「節約」はしていません。

    「節約」という言葉が頭の中にあると、常にけちけちしてしまって結局はお金の奴隷になってしまう。それでは豊かに生きられない気がするからです。

    お金に関することは、私にとっては生き方やモラルの問題につながっています。

    資源を大切に使いながら、必要なものだけに囲まれてシンプルに生きる。そうすれば「節約しよう」と思わなくても、自然と出費は減っていきます。

    余計なお金を使わないためには「皆が持っているから」「評判がいいから」という理由だけでものを買うのではなく、自分の暮らしにとって必要か、心から好きといえるかどうかを立ち止まって考えることが大切だと思います。

    食事にしても、ふだんは旬の食材を毎日同じような味つけで食べるので十分。最低限のものでシンプルな生活を送り、健康に気をつけていれば、それほどお金は必要ないことに気づくでしょう。将来のお金に対する不安だってなくなるはずです。

    自分にとって本当に必要なものを見極めるのは一朝一夕にはできません。

    20代、30代では失敗しながらお金を使うことで、少しずつものを見る目を養っていきます。40代からは自分にとって必要なものがだんだんわかってくるでしょう。

    そうやって年をとればとるほど、少ないもので満足できるようになってくるはずです。

    お金と上手につきあいながら、豊かに暮らしていく。

    これは、経験を重ねた私たちだからこそできることでもあるのです。



    <取材・文/嶌 陽子 イラスト/松尾ミユキ>

    ドミニック・ローホー(どみにっく・ろーほー)
    フランス生まれ。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスやアメリカ、日本で教鞭をとる。ものにとらわれず心豊かに暮らすシンプルな生き方を自ら実践しながら提唱し、著書は各国でベストセラーに。『シンプルに生きる』(幻冬舎)、『成熟とともに限りある時を生きる』(講談社)など著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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