(『天然生活』2024年8月号掲載)
夏の健康法 01
甘酒アイスで栄養補給
「実は甘酒って夏の季語。もともとは甘酒で栄養補給をして暑い夏を乗り切っていたんだよね」
甘酒は滋養豊富。糖分を含んだ手づくり甘酒は凍らせても硬くならず、アイスクリームのように楽しめます。
「フルーツを混ぜてもおいしい。砂糖が入っていないから一般的なアイスより罪悪感なく食べられるでしょ」

赤米でつくった甘酒を凍らせたアイスに果物やミントを添えて。やさしい甘さで、しかも食べ応えも十分
夏の健康法 02
梅酢水や酵素ジュースを飲む
夏バテ予防に最適な梅。
毎年梅干しを漬けるときに出る梅酢を水で割った梅酢水は、ほんのり酸味があってさわやかな味わいです。
「梅の酵素シロップは、梅と1.1倍の素焚和糖を重ね入れて、1日数回かき混ぜます。10日ほどして水気が十分上がったら濾して完成。水で割って飲んでいます」
どちらもたくさんつくって常備。

左が梅酢水、右が梅酵素ジュース。さわやかな風味が夏の疲れをいやす
夏の健康法 03
早朝に農作業をする
夏はまだ比較的涼しい朝6時頃から田んぼや畑に出て、スタッフとともに「朝活」と称する農作業。
気温が上がる午前10時から午後2時までは休憩時間にしています。
「若いスタッフは元気だから海にサーフィンしに行っちゃう子もいるけどね」
遅めの午後から、仕事再開。無理をせず、効率よく作業を進めるための工夫です。

取材に訪れた時はちょうど田植えの時期。デコさんは慣れた様子で苗を植えていく。「田んぼに入ると泥がひんやりして、すごく気持ちいいの」

畑でとれたばかりのそら豆。夏はトマトやきゅうり、なすなどもつくる
夏の健康法 04
蚊帳を吊り、自然の風の中で眠る
デコさんが主宰する、自給的生活を目指すコミュニティ「ブラウンズフィールド」にはエアコンが一切ありません。
長年、夜は窓を開けて、入ってくる風で涼を取りながら寝ています。
「どうしても暑いときは最初の30分だけ扇風機を回します。明け方になると少し肌寒いくらい」
その際に欠かせないのが蚊帳。
見た目も涼しげな蚊帳は、デコさんの夏の夜に欠かせないもの。

「寝具も、夏は麻のものが気持ちいいよね」
夏の健康法 05
夕方に砂浴をする
「ブラウンズフィールド」から車で10分ほど行けばそこは海。
砂浜に座り、足を砂の中に入れて砂浴をするのは、デコさんにとっての大切なエネルギーチャージです。
「1日働いた後って足の裏が疲れがちだけど、砂浴をすると元気になれる。素足で砂浜を歩くだけでも気持ちいいしね。地球のエネルギーをもらっている感じがします」

足首までしっかり砂の中に入れて20分ほど砂浴。体の余分なものを外に出すデトックス効果もあるといわれている

「昼間の太陽に当たった砂は温かいの」。ときには朝に砂浴をすることも
〈撮影/柳原久子 取材・文/嶌 陽子〉
中島デコ(なかじま・でこ)
16歳でマクロビオティックに出合い、25歳から本格的に学び始める。1999年、千葉県いすみ市に田畑つき古民家スペース「ブラウンズフィールド」を開き、 世界各国から集まる若者たちとともに、持続可能な自給的生活を目指す。講演会や料理教室などでも活躍中。近著に『中島デコのサステナブルライフ』(PARCO出版)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです