自宅にあるもので気軽に楽しめる「浴衣」
「浴衣を気軽に着るということであれば、ご自宅にあるもので着るのがいいと思います」
そう教えてくれたのは、なでしこ会主宰の熊谷宏子さん。
普段から着る習慣がないと、特別なものが必要なのかなとハードルが高く感じますが、自宅にあるものを使いながら楽しめるのだそう。
これから紹介する、浴衣の着付けに必要な基本のものと、浴衣姿を楽しむためにあるといいものをぜひ参考にしてみてくださいね。

浴衣の着付けに必要な基本のもの
1. 浴衣
好きな色柄の浴衣を用意します。
朝顔や金魚などの夏らしいモチーフ、桜や椿などの日本を代表する花柄などさまざま。

2. 半幅帯
浴衣と同様に、好きな色柄の「半幅帯」を用意します。
通常の帯と比べて幅が細く、軽くて結びやすいのが特徴です。

3. 腰ひも
浴衣を羽織る前の体型補正や、浴衣を着るときの着崩れ防止に使用します。
平らなもの、絹製のものなどさまざまあるので、好きなものを3本ほど用意しましょう。

平らな腰ひも

昔ながらの絹製の腰ひも

ゴム入りの腰ひも
4. 伊達締め
浴衣を着たあとに、胸の合わせをおさえる役割があります。
浴衣の場合、半幅帯を自分で体の前で結び、結び終えたら背中側に回します。
その際、伊達締めがあることですべりがよくなり、着崩れを防ぎつつ、きれいな状態で帯を回すことができます。
ゴム入りで伸縮するものなどいろいろなタイプがあるので、好きなものを1本用意しましょう。

5. 着物ベルト
両端にクリップが付いており、浴衣の襟をとめるために使用します。
ひもでもよいですが、これ1本あると楽に着られて便利です。

6. 浴用タオル 2~3枚
体型補正や、汗を吸い取りやすくするために使用します。
また、体と浴衣の間のクッション的な役割や、浴衣の汗染みを防いで傷みにくくするための役割もあります。
温泉旅館で手に入るような浴用タオルで、できるだけ新しく弾力のあるものがおすすめです。
2~3枚ほど用意するといいでしょう。

7. 着物用ピンチ(洗濯ばさみでも可)
帯を結ぶ際に一時的にとめたり、帯の位置を確認したりするときに1つあると便利です。
鈴などを付けておくと、うっかり取り忘れた、ということを防ぐことができます。
着物用ピンチがなければ、洗濯ばさみでも代用できます。

浴衣姿を楽しむためにあるといいもの
下駄
せっかく浴衣を着るのであれば、足元も和風にして楽しんで。
下駄のほか、草履などもいいでしょう。
「最近はサンダルを合わせて着られる方もいますね。サンダルなどを履かれる場合、金具のパーツが付いていると浴衣の裾がこすれて傷みやすいので、金具のないものがおすすめです」

ハンドバッグ
浴衣姿を楽しむためにも、着崩れを防ぐためにも、肩かけバッグなどではなくハンドバッグがおすすめです。
持ち手が竹製のもの、かご製のハンドバッグなど、和のテイストを組み合わせて。

〈撮影/星 亘 文/太田菜津美(編集部)〉
熊谷宏子(くまがい・ひろこ)

茶道講師。着物コンサルタント。大学卒業後、コンピュータ関係のエンジニアとして勤務するが、数年後に体調を大きく崩し退職。今後の生き方と人並みの健康を模索するなか、東京・表参道のきゆるぎ治療院と出合う。きゆるぎの治療、セミナーでの学びにより、虚弱体質から一転、人生を大きく変容させた経験を活かし、「本当の健康」「本来の魅力を発揮すること」を世に広く伝えることを目標に、「なでしこ講座」をはじめ、さまざまな講座やヒーリングを行っている。
インスタグラム@nadeshiko.minori